国際教養大学のエッセイの書き方を教えてください!
「国際教養系 大学・学部 受験専門塾」GTE®PREP では、国際教養大学を目指す高校生を応援しています。
この記事では、国際教養大学(AIU: Akita International University)の一般選抜入試、総合型(AO)、学校推薦などの入試で課される英語小論文(エッセイ、自由英作文、Essay writing)の書き方を徹底解説していきます。
⇒ 国際教養大学の入試の全体概要については、こちらの記事をご参照ください。
※ この記事の情報は、すべて令和6年度入試(2024年入試)に基づいています。
※ 編入転入学試験、外国人入試、社会人入試については割愛しております。
※ 本記事は筆者が独自に執筆しまとめたものです。正確な情報を得たい場合は必ず大学の公式情報をご確認ください。
(※ 目次をクリックすれば、どこからでも読めます)
国際教養大学で英語小論文(Essay Writing)が必要な入試形式
国際教養大学で英語小論文(Essay Writing)が求められる入試形式は、下記の通りです。
※ 各入試をタップすると、攻略情報を参照できます。
- 【英語小論文形式】
課題文が5~10 行程度(1ページ程度)で、主に自分の意見を求められるもの- 学校推薦型入試
- 総合型選抜(AO)入試(4月入学の I と9月入学の II の両方で必要)
- ギャップイヤー入試
- 一般選抜入試 C 日程
- 【英語長文 + 自由英作文 形式】
課題文が 50~60 行程度(4ページ前後)の超長文で、要約と意見を求められるもの - 【英語長文 + グラフデータ + 自由英作文 形式】
課題文が 50~60 行程度(4ページ前後)の超長文とグラフデータで、要約と意見を求められるもの
また、すべての Essay Writing で、英単語数 300 words 以上のエッセイを書かなければなりません。英検準一級の Writing セクションは、課題文は1,2行だけ、英単語数は 120 – 150 words なので、英検準一級と比べても非常に難しいことが分かると思います。
国際教養大学の英語小論文(Essay Writing)対策 -7ステップ・ライティング-
300 words 以上の英語小論文(Essay writing)を書くときは、いきなり書き出すのではなく、下記の7ステップで仕上げるのがオススメです。なお、7ステップのうち一番重要なのは「4.アウトラインを作る」ステップですが、このステップについては後で詳細説明します。
■ Essay writing の7ステップ
- 設問と指示文を理解する
- 課題文を理解する
- 思いつくままにアイデアを出す
- アウトラインを作る
- 各パラグラフを書く
- 指示文を再チェックした上で構成と内容を見直す
- 文法ミスやスペルミスなどを見直す
Step 1. 設問と指示文を理解する
Step 1. は、設問と指示文を理解します。いきなり4~5ページにわたる課題文を読もうとすると、何が中心テーマとして問われるのか論点が分からず、時間ばかりかかってしまいます。
設問で問われていることを先に理解した方が、課題文の読解スピードが上がると共に回答のヒントを見つけやすくなります。
Step 2. 課題文を理解する
Step 2. は、設問で問われていることを中心に課題文を理解し、回答のヒントとなる個所を特定します。
とくに A, B 日程の課題文は非常に長いため、つい時間をかけたくなりますが、あまり時間をかけすぎないようにしてください(20 分程度)。
(※ ただ、C 日程や学校推薦のエッセイは課題文が短いため、Step 1 と 2 を逆にしても構いません)
Step 3. 思いつくままにアイデアを出す
Step 3. は、思いつくままにアイデアを出します。「この課題文が言いたいことは~だな」「賛成の立場で書く」という程度の、ラフなメモで構いません。書き出したアイデアはすべて使う訳ではないので、とにかく質より量で思いついたアイデアを書き出しておきます。
いきなり文章を書き出すとほぼ 100% 途中で行き詰まってしまいます。途中で 300 words には到底足りないことに気づき、かといって最初から書き直すこともできず、同じことを繰り返し書くような単調なエッセイにもなりかねません。
エッセイを書き出す前に、すべてのメモをテーブルの上に出しておくことが大事です。料理をするとき、いきなり調理工程を進めるのではなく、使うだろう食材や料理器具をあらかじめ準備しておくのと似ているかもしれません。
なお、メモは日本語で OK です。むしろ日本語でメモした方が、どんなストーリーでエッセイを書くか思考しやすくなりますよ。
Step 4. アウトラインを作る
Step 4. は、アウトラインを作ります。アウトラインとは、エッセイのパラグラフ構成の概略を示すもので、いわば「小論文の設計図」のようなものです。このステップは非常に大事なので、あとで例とともに詳述します。
Step 5. 各パラグラフを書く
Step 5. は、各パラグラフを書きます。おそらく Introduction の書き出しが一番悩むと思いますが、何度も Essay writing の練習をして自分が書き出しやすい表現を身につけてください。
練習には、国際教養大学の過去問や、英検、TOEFL®、IELTS™ の Writing 問題が役立ちます。アウトラインに沿って書けば、論旨の分かりやすい文章を書きやすくなるでしょう。
Step 6. 指示文を再チェックした上で構成と内容を見直す
Step 6. は、指示文の再チェックした上で構成と内容を見直します。指示文に従っていないとかなりのマイナスになってしまうので、必ず指示文を再チェックしてください。
また、Step 6. では、文法ミスやスペルミスは気にしないでください。エッセイの中身(Contents)の見直しと、形式(Mechanics)の見直しとを一度にやろうとすると抜け漏れや混乱を招くことが多いからです。
つい文法ミスやスペルミスが気になってしまいますが、まずは指示文と内容のチェックに集中しましょう!
Step 7. 文法ミスやスペルミスなどを見直す
Step 7. は文法ミスとスペルミスといった形式(Mechanics)を見直します。意外と、代名詞(it や them など)の単数複数の誤り、三人称単数の誤り、カンマの付け忘れ、大文字のし忘れなど細かなミスがあるので要チェックです。
前の Step 6. では構成(Organization)と中身(Contents)の見直し、Step 7. では文法などの形式(Mechanics)の見直し、というように、ステップを分けて見直した方が抜け漏れを防ぎやすいです。
試験時間を測って、練習!
以上が、オススメの Essay writing の7ステップです。
エッセイに慣れないうちは、試験時間を気にせず書いた方がレベルアップに役立ちます。
しかし本試験が近づいてきたら、必ず試験時間を測った上で練習をしてください。一般選抜 A と B 日程なら 120分、それ以外は 90 分という時間は、思いのほか短いです。試験時間に慣れていないと焦ってミスをしがちなので、必ず測定しておいてくださいね。
国際教養大学の英語小論文(Essay Writing)対策 -アウトラインの作り方と例-
7ステップ・ライティングのうち、もっとも大事なのは「Step 4. アウトラインを作る」です。いきなり文章を書き出すのではなく、「小論文の設計図」であるアウトラインで、Essay の骨組み・全体像を作ります。
まずは、2023 年度一般選抜 A 日程の例を使って解説します。
アウトラインの例1 (2023 年度 一般選抜 A 日程)
項目 | 2023年度 一般選抜入試 A 日程 |
---|---|
課題文 | 人間に自由意志はあるのか (英文 60 行程度) |
試験時間 | 120 分 |
設問数 | 1問 |
設問と 指示文 | (すべて英文、意訳) 課題文「人間に自由意志はあるのか? ー自由意志を望むのか? 機関車トーマスがヒントを与えてくれるー」 を読み、人間に自由意志はあるのかという 問いについて機関車トーマスが与えてくれるヒントが 何かを説明するエッセイを書きなさい。 そのうえで、課題文の趣旨に賛成または反対する 理由を示す具体的な裏付けとなる例や詳細を 入れながら、あなた自身の回答を書きなさい。 1.最低でも 300 words (minimum)(英単語 300 語) 以上で書くこと 2.序論と結論を含む 4 つ以上のパラグラフで書くこと 3.アイデアや意見を明確に示した上で設問に答えること 4.あなた自身の知識や経験に関連する例を含めること 5.課題文からの丸写しは避けること エッセイは内容、構成、語彙、そして文法的用法で 評価される。 |
アウトラインの構成(Organization)
英語エッセイの構成としては、Introduction(導入部)、Body(本文)、Conclusion(結論部)の3つに分けて書きます。上図のオレンジの箱1つが1つのパラグラフに当たります。
Introduction(導入部)
Introduction(導入部)では、必ず設問への答えとなる主張や立場を書きます。
Thesis statement(シーシス・ステートメント:主題に関してあることを主張する文章)と言いますが、最初のパラグラフで書き手の主張や立場が書いていないと、エッセイで何を読み手に伝えたいのか分からなくなります(正直に言うと、かなり評価は低くなります)。
なお、一般的な Essay writing では Thesis statement の前に General statements を書きます。ただ、課題文に言及しながら書くような設問の場合は、General statements と Thesis statement の区別をあまり意識しない方が書きやすいのではないかなと思います。
Body(本文)
Body(本文)では、主張や立場を各構成要素に分けた上で、詳細、主張を裏付ける理由や根拠、具体例などを書きます。
上図、一般選抜 A 日程の例では、1.課題文であるトーマスの話の説明と、2.自身の経験に基づいた意見主張とでパラグラフを分けています。
各パラグラフの文章は、Topic sentence(トピックセンテンス:そのパラグラフの概要を示す文) ⇒ Supporting sentence(s)(展開文:そのトピックセンテンスの詳細、理由、具体例などを示す1つまたは複数の文) ⇒ Concluding sentence(そのパラグラフのアイデアを再提示する文) という順番で書きます。
※ Concluding sentence は、パラグラフの文章が短く要旨を再提示する必要がなければ、無くても構いません。
Conclusion(結論部)
Conclusion(結論部)では、Body で書いたことを要約したり、Introduction で主張したことを言い換えたりしながら、自分の主張を再度書きます。
日本人的発想だと控え目な文章になりがちですが、強い表現で主張を印象的に伝えてください。
アウトラインの出来は、最終的なエッセイの organization(構成)と content(内容)の評価に大きく関わってきます。いきなり書き出すのではなく、自分の考えが整理できるまでアウトラインを明確にしてみてください!
つなぎ言葉の活用(Transition words, Discourse markers, Cue words)
また、上図の例文中に、「Moreover,」「In conclusion,」などのつなぎ言葉を入れていることに注目してください。このような、話の順序関係や、前後の文の関係性について読む人に分かりやすく伝える言葉をつなぎ言葉(Transition words)と言います。
つなぎ言葉は Transition signals(トランジション・シグナル、転換シグナル)とか、Disourse markers(ディスコース・マーカー、談話標識)、Cue words(手がかり語)など色々な呼び名がありますが、いずれにしても文章を交通整理する道路標識のような役割を持っています。
読む人だけでなく、自分自身にとっても文章の論理構造が分かりやすくなりますので、ぜひつなぎ言葉をアウトラインに入れてみてください。
つなぎ言葉をアウトラインに入れると、読む人だけでなく、自分自身にとっても文章の論理構造が分かりやすくなりますよ!
アウトラインの例2 (2023 年度 学校推薦入試)
もう一つ例を見るとアウトラインをより深く理解できると思いますので、2023 年度 学校推薦入試の例を出します。
項目 | 2023年度 学校推薦選抜入試 |
---|---|
課題文 | 経験からの学習と指導による学習の違いについて (英文 9 行程度) |
試験 時間 | 90 分 |
設問数 | 1問 |
設問と 指示文 | (すべて英文、意訳) 課題文を読み、課題文の特定個所を要約したり パラフレーズしたりしながら、経験からの学習と 指導による学習の違いについて ショートエッセイを書きなさい。 1.最低でも 300 words (minimum)(英単語 300 語) 以上で書くこと 2.序論と結論を含む 4 つ以上のパラグラフで書くこと 3.明確に述べられた主たるアイデアや意見を含めて 設問に答えること 4.あなた自身の知識や経験に関連する例を含めること 5.課題文からの丸写しは避けること エッセイは文法の正確さ、語彙、内容、そして構成で 採点される。 |
上図の学校推薦の例でも、Introduction では設問に対してまず端的に回答します。
Body では、1.経験からの学習と、2.指導からの学習とで、対比構造でパラグラフを分けています。どちらのパラグラフでも、Supporting sentences は「利点 ⇒ 欠点 ⇒ 私の具体例」という流れで説明することで、分かりやすく対比しています。
また、対比を示すつなぎ言葉としては、「In contrast,」や「In comparison,」などの接続詞を使うと文章を書きやすいでしょう。
※ 上図の例では対比型の論理構造としましたが、他の論理構造でも OK です。
さいごに、Conclusion では、Body で書いたことを要約したり、Introduction で主張したことを言い換え(パラフレーズ)したりしながら、主張を再度書きます。
さいごに
以上が、国際教養大学の英語小論文(Essay writing)の対策です。
実際にモノになるエッセイを書くには、やはり地道な練習が欠かせません。練習には、国際教養大学の過去問や、英検、TOEFL®、IELTS™ の Writing 問題が役立ちます。アウトラインに沿って書けば、論旨の分かりやすい文章を書きやすくなるでしょう。
国際教養大学の受験、やっぱり難しそうです。
でも、今まで何をすれば分からなかったのが段々見えてきました!
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