ビジネスモデルの書き方を教えてください!
■ ビジネスプランの書き方基本7項目の全体像(親記事) (※ 項目名をタップするとリンク先が開きます)
1.問題(Problem)
このビジネスで解決したい問題は何ですか?
2.解決策となる製品やサービス(Solution)
その問題をどうやって解決するのでしょうか?
3.競合優位性(Competitive Advantages)
なぜ顧客は、競合製品ではなくあなたの製品やサービスを買わないといけないのですか?
4.顧客(Customer)
その製品やサービスにお金を払ってくれるのは誰ですか?
5.ターゲット市場(Target Market)
その製品やサービスは具体的にどんな市場をねらって売り込みますか?
6.ビジネスモデル(Business Model)
その製品やサービスはどんな販売方法、価格戦略、広告宣伝で販売しますか?
7.収支計画(Financial Plan)
年間の売上・コスト・利益はどの程度で、起業後どれくらいで利益がプラスになりますか?
(その他(Others))
基本7項目以外で、特定のコンテストによっては書くべきこと
(※ 目次をクリックすれば、どこからでも読めます)
ビジネスモデル(Business Model)の書き方
お金の出入りをシンプルに図示する
ビジネスモデル(Business Model)とは、企業がどうやってもうけるのかを図などで表現したものです。
下の図のように、「自分たち」を中心に置き、「お金が入って来る元である顧客」を右側、「お金が出て行く支払い先」を左側に分けて書くと理解しやすいです。
ビジネスモデルの例4つ
企業のもうけ方は非常に多様です。ただ、よく参照される定番のビジネスモデルがいくつかありますので、例を示します。
■ ビジネスモデルの例4つ
1つ目の例は、自分たちで直接、製品やサービスを売るビジネスモデルです。とてもシンプルで分かりやすく利益幅も大きいビジネスモデルですが、起業したてで何のブランド力も認知度もない会社はセールスに苦労するでしょう。
2つ目の例は、オンラインショッピングモールを仲介して、製品やサービスを売るビジネスモデルです。楽天や Amazon などのオンラインショッピングモールを使えば、最初から顧客がたくさんいるところで商売ができるし、顧客にとっても安心感があるので、起業したての会社でもそこそこの売り上げを得られるかもしれません。
ただし、商売がやりやすい反面、オンラインショッピングモールに高額な販売手数料(Commission fee)を支払う必要があります。販売単価の約 20~30% など大きなコストになりますので、利益幅はかなり薄くなるでしょう。
3つ目の例は、ニュースサイトのビジネスモデルです。製品やサービスを売るのではなく、広告枠を他の会社に買ってもらったり、他の会社の製品やサービスを紹介してその仲介手数料(Commission fee)をもらったりしてもうけます。
この例のように、記事は無料で読めるようにしてユーザーをたくさん集めて、他の会社が広告を出したり製品やサービスを紹介したりする価値を高めていくのが、このビジネスモデルのポイントです。
4つ目の例は、メルカリや Yahoo! オークションのように、売り手と買い手とを仲介することで、仲介手数料(Commission fee)を得るビジネスモデルです。3つ目の例と同じく、自分たちの会社を通して売買する価値をいかに高められるかが、このビジネスモデルのポイントです。
なお、売り手と買い手が直接やり取りするのではなく、いったん自分たちが商品を買い取った上で売るビジネスモデルもよくあります。ブックオフのような古本屋、中古車販売会社などがその代表例です。また、大家さん相手の不動産業など類似のビジネスモデルがたくさんあります。
マーケティングの 4P をビジネスモデルに表現する
上記で説明したように、ビジネスモデルを書くときは「自分たち」「お金が入って来る元である顧客」「お金が出て行く支払い先」の3要素が表現されていれば及第点が得られます。
ただ、より良いビジネスモデルにするには、「ビジネスモデルの基本項目「3. 競合優位性」にも出てきたマーケティングの 4P(4P’s of Marketing)の要素をぜひ表現してみてください。
Place(販売チャネル)
どこで、またどこを経由して、製品やサービスを顧客に売るかを明確にします。
リアル店舗で売る、オンラインで売るなどだけでなく、百貨店やオンラインショッピングモールなどを経由するかどうかを表現します。このように、製品やサービスの販売経路のことを販売チャネル(Sales channel)と言います。
上記の1つ目の例や2つ目の例のように、販売チャネルによって利益や販売数量がかなり左右されます。
Product(製品やサービス)
顧客がもつ問題への解決策を製品やサービス(Product or Service)と言います。
上記の3つ目の例のように自分たちのサービスが、無料で読めるニュース記事や商品紹介記事といった特殊なものの場合、どうやってお金を得るのかよく考える必要があります。
Price(価格戦略)
製品やサービスをいくらで売るのか、また、どのような価格体系で売るのか決めることを価格戦略(Pricing strategy)と言います。
価格だけでなく、価格体系も重要です。1回売ったらそれで終わりなのか、定期月額制のサブスクリプションなのか、上記の4つ目の例のように仲介手数料としてパーセントを設定するのかなど、非常に工夫しがいがあります。
価格戦略は本当に難しいので、色々な情報を参考にしてみてください。シリコンバレーの有名な起業支援・投資団体「Y Combinator」のスタートアップ企業の価格戦略に関する記事と動画がオススメです!(ただし英語のみ)
Promotion(広告宣伝や販売促進)
製品やサービスをどうやって顧客に知ってもらうのか、どう販売につなげるのか決めることをプロモーション(Promotion)と言います。プロモーションの施策は色々ありますが、とくに広告(Advertising)が重要です。
注意点として、広告宣伝の方法は具体的に説明しましょう。これは高校生だけでなく社会人のビジネスプランでもよく見かけることですが、大雑把すぎて具体的にどう製品やサービスを広めるのか分からず、審査員から見て「実現性が低い」と思われてしまうビジネスプランが多いです。
■ 広告宣伝の例
- 顧客業界の人々が集まるイベントや展示会にブースを出展する(1回の出展で 50 万円など)
- 顧客がよくアクセスしている専門的なウェブサイトに広告を出す(月々 10 万円など)
- X (Twitter) にまずは1日5回、3か月間、お役立ち情報を発信してフォロワーを集める。フォロワーが集まった後で製品情報を流す(無料だけどめちゃくちゃ時間がかる)
- 駅前や文化祭でチラシを 3,000 枚は配る(リアル集客最強! 印刷費 1 円/枚など)
現実の起業では、何の戦略も努力もなく SNS などで情報を流しても、「見てくれたのは 10 人にも満たない」なんてことになりますよ!(私自身も経験した無残な現実です…)
「6.ビジネスモデル」については以上です。ぜひ皆さんのビジネスプランに活かしてみてください。
⇒ 親記事「ビジネスプランの書き方基本7項目の全体像」に戻る
【PR】 国際教養大学、APU(立命館アジア太平洋大学)、慶應義塾大学 SFC、早稲田大学 国際教養学部、ICU(国際基督教大学)などの受験をお考えの高校生と、その保護者の方へ。これらの大学の「合格基準」と「対策カリキュラム」をご存知ですか?