なんとなくビジネスプランの書き方が分かってきました!
理系っぽいというか、テクノロジーを使ったプランって何かありませんか?
高校生5人が書いた実際のビジネスプランを例に、改善点とその理由、オススメの作り方を徹底解説します!
実例その3「C-OD 錠」では、サプリメント開発を例に、テクノロジーを重視した Solution(解決策となる製品やサービス)と Competitive Advantages(競合優位性)の書き方をアドバイスしています。
【 実例アドバイス記事一覧 】
実例その1: 店舗経営型のビジネスプランの例「筋飯 Kitchen」
実例その2: 高校生・中学生を顧客にするビジネスプランの例「BLUESTAR」
実例その3: テクノロジーベースのビジネスプランの例「C-OD 錠」
実例その4: ウェブサービス型のビジネスプランの例「初め美(そめび)」
実例その5: 社会課題解決型のビジネスプランの例「ROCRAYONS」
別ページに、プレゼン審査のコツ 24個と資料の作り方7項目、それと、収支計画(フィナンシャルプラン)の作り方7ステップがあるので参考にしてみてください。
■ この記事で分かること
・実例を基にテクノロジーベースのビジネスプランの書き方が分かります。
・高校生がつまずきやすい改善点と、その理由、オススメの書き方が分かります。
・コンテストの審査員が「どんなビジネスプランを期待しているのか?」が分かります。
2022 年度 GTE ビジネスプラン・グランプリ(旧名:DECA JAPAN ビジネスプラン・グランプリ)のファイナリスト5チームを例に、実際に高校生が書いたビジネスプランと、それに対してメンターがアドバイスした内容を公開します。
なお、全体的なビジネスプランの作り方については別の記事でまとめているのでこちらもご参考にしてください。
本記事の実例と、下記の記事の書き方の記事とをあわせて見れば、ビジネスプランへの理解がグッと深まりますよ!
(※ 目次をクリックすれば、どこからでも読めます)
ビジネスプラン事例その3「C-OD 錠 ~コーヒーで健康生活~」
GTE ビジネスプラン・グランプリ
日本語部門ファイナリスト
甲斐鈴乃 近畿大学附属広島高等学校 東広島校(広島県)
解決すべき問題(Problem)の原文とアドバイス
■ 原文
学生が授業中寝てしまうことへの解決。
学校や会社でのパフォーマンス低下への解決。
高齢者の脳卒中や心臓病、呼吸器疾患の死亡率低下。
■ メンターからのアドバイス
・解決したい Problem が広く漠然としすぎているので、「誰の、どんな問題を本当に解決したいのか?」を絞り込むのが大事です。
実は…「色々な人に、さまざまに役立つ製品やサービス」というのは、まったく売れないんです!
・なぜかというと、色々な人を Customer にしようとすると最大公約数的なメッセージになってしまい、Customer にとっては「この製品は自分に必要なものだ!」と認識できなくなるからです。
・ちょっと極端かもしれませんが、「この製品のテレビ CM を出したらどうする?」という場面を想像してみると分かりやすいかもしれません。
・学生をターゲット Customer にするのなら、「眠いときもこれを一粒食べれば授業に集中!」といった元気なイメージの CM になりますよね。それなら学生は欲しいなと思うでしょう。
一方で、身体の弱った高齢者をターゲット Customer にするのなら、この製品を食べながらゆったり歓談するというCM になりそうですね。それなら高齢者は欲しいなと思うでしょう。
・しかし、学生も高齢者も色々な人に向けた CM にすると、同じ製品を食べたのにも関わらず学生はアドレナリン全開になり、高齢者はリラックスする… となり、CM を見た人は、「自分はこの製品を買った方が良いの?」と混乱するかもしれません。
もしくは、「この製品を食べれば誰でも健康になります」という最大公約数的なメッセージになるかもしれません。それだとメッセージが弱すぎて、本当に睡眠不足で困っている学生や、病気で弱っている高齢者は買わないですよね。
・ビジネスプランを拝見して、1つ良い改善アイデアが見つかりました。Solution のときにお話ししますね。
解決したい問題は、狭く、深い痛みに取り組むように書く!
顧客(Customer)の原文とアドバイス
■ 原文
中学校、高校から部活動や勉強で夜にあまり寝れなくて授業中寝てしまう人。
学校でテストや大切な模試がある人や会社でのパフォーマンスを向上させたいひとや大切なプレゼンがある人。
好きなものを食べながら、病気になりにくい体を作りたい人。
■ メンターからのアドバイス
・Problem のアドバイスと同様に、誰の、どんな問題を本当に解決したいのかを絞り込んでみてください。
・この書き方だと Customer も Problem もバラバラなので、3つのビジネスプランを無理に1つにまとめているように見えてしまい、もったいないです。
・この3つって、誰にでもあてはまりますよね。
誰が顧客なのかイメージしづらいので、審査員から見ると「これは売れなさそうだな…」と思われてしまいます。
顧客があいまいだと、お金が入ってくるイメージがわかない!
解決策となる製品やサービス(Solution)の原文とアドバイス
■ 原文
< 製品やサービスの内容 >
私が提案する製品はコーヒーの効能を利用したお菓子です。
普段のパフォーマンスを向上する効果。
心臓病や脳卒中、呼吸器疾患の死亡リスクを低下させる効果があります。
甘く柔らかくすぐに溶けるので、お菓子感覚で忙しくてもすぐに服用することができ、嚥下が難しい高齢者や苦味が苦手な人でも服用できます。つまり、老若男女問わず使用できる製品になります。
< 機能一覧や機能概要 >
コーヒーには日常生活で飲む飲料の中でとりわけカフェインが多く含まれています。
カフェインには覚醒作用があります、この覚醒作用は頭をスッキリさせて、集中力を高める効果があります。また、中枢神経を刺激して、自律神経の働きを高めたり、運動能力を高めたり、運動能力を向上させる効果もあります。これによって、パフォーマンスを向上させることができます。
また、コーヒーにはカフェイン以上にポリフェノールが多く含まれています。ポリフェノールは心臓病や脳卒中、呼吸器疾患の死亡リスクを低下させる効果があります。
このようにコーヒーには多くの健康効果があります。
しかし、コーヒーは苦くて飲めない人が多くいます。これだけ多くの効果を発揮してくれるコーヒーを摂取しないのはもったいないと考えました。
そこで私は、口腔内崩壊錠(OD 錠)とラムネの精製方法を利用したコーヒーのお菓子を製造するのはどうかと考えました。
ラムネの精製方法を参考にし、コーヒーにチョコ、ブドウ糖、重曹とクエン酸をチョコとブドウ糖を加えることでコーヒーの独特の苦味を緩和することができるます。
また、ブドウ糖には水に溶けるときに周囲の熱を吸収するという性質があります。つまり、製品を服用すると、唾液に含まれる水分で溶けていくと同時に口内の熱を奪っていくのでひんやりと感じられます。この性質を利用し、口内で溶けやすく、爽快感を与えます。
また、より爽快感を感じるために重曹とクエン酸を加えます。
重曹とクエン酸を水に溶かすと、化学反応を起こし、二酸化炭素を発生させます。この性質によって、シュワシュワ感を与えます。
また、この反応が起こる際も周囲の熱を奪うので、口内がひんやりとします。
このようにラムネの精製方法でコーヒーを飲んだときのスッキリした感覚を再現します。
口腔内崩壊錠、略してOD 錠は口内に入れて 30 秒程で溶ける薬です。
様々な製剤方法があるのですが、その中でも特殊の機械を必要としない方法を用います。それは、滑剤という添加物を製品の表面にコーティングする方法です。これにより、急速に溶けるようになります。
この2つの精製方法で、甘く柔らかくすぐに溶けるので、お菓子感覚で忙しくてもすぐに服用することができ、嚥下(えんげ)が難しい高齢者でも服用できます。つまり、老若男女問わず使用できる製品になります。
■ メンターからのアドバイス
・Solution の説明が具体的で分かりやすく、とても良いですね! 良く調べているな、という印象です。
・ただ、最後の文章で「老若男女問わず使用できる」という点を主張していますが、カフェインは高齢者や中学生以下の子どもにはリスクがあります。
このリスクへの対処を Solution に含められれば、このビジネスプランの実現可能性が上がりますよ。
・カフェインの覚醒作用にはメリットがありますが、同時に、過剰に摂取すると中枢神経系の刺激による心拍数や血圧の増加、不眠症などの副作用も持っています。
とくに、内臓機能が低下している高齢者はカフェインの分解がうまくできず、より副作用が強くなります。
・だから、
・カフェインはそのままに、集中力を高めたい学生を Customer にするのか?
・カフェインは除去して、健康効果だけを得たい高齢者を Customer にするのか?
Customer を誰にするかで Solution が全然ちがってくるので、ぜひ絞り込んでください。
・もし Customer を高齢者にするのであれば、カフェインレス(デカフェ)またはローカフェインの技術を使った方が良いかもしれません。
コーヒー豆からカフェイン成分だけを抽出することで、ポリフェノールなどの健康効果を残したままカフェインを抜くことができます。
・ただし、デカフェにする場合はコーヒー豆収穫後の工程が増えるため、通常のコーヒー豆より 10% ほどコストが高くなります。
Solution を考える際は、コストも同時に考えてみてください。
・ポリフェノールの効果は、とくに高齢者にうれしいですね!
まだ科学的に判明できていないことが多いのですが、心臓病や肝臓がんのリスク減少、認知症のリスク減少などに役立つそうです。
・ただ、コーヒー以外にもカフェインやポリフェノールを多く摂取できる飲み物はたくさんありますよね?
紅茶、緑茶、ココア、それにコーラやチョコレートなどにもポリフェノールが含まれるので、実はこれらが競合製品(Competitor)となります。
・「他にも同じような製品があるのに、なぜこの Solution でないといけないのか?」という疑問にうまく答えられないと、この Solution が売れるという説得力が低くなります。
とくに緑茶は、カフェインやポリフェノールだけでなく、ビタミンやテアニンなども摂取できますし。高齢者の生活習慣にも向いていそうです。
・それと気になるのは、OD 錠というテクノロジーに気を取られすぎて、Problem がすり替わっていませんか?
・今までは集中力や健康を Problem だと言っていたのに、文章中盤にある「しかし、コーヒーは苦くて飲めない人が多くいます」という Problem が突然出てきていますよね。
テクノロジーありき、Solution ありきで考えると、解決すべき Problem を間違えてしまうので注意です!
テクノロジー重視のビジネスプランでとてもよく見るミスですね。
・ただ、後半の文章にある、嚥下(えんげ)が難しい高齢者が服用できる精製方法を検討されたことは、大変素晴らしいです!
・1つアイデアですが、このビジネスプランは下記のようにうまくまとめることができそうです。
・Problem: 嚥下力の低下により栄養不足や脱水症が引き起こされる
・Customer: 嚥下障害に苦しむ高齢者
・Solution: 嚥下障害のある人でも飲める OD 錠のポリフェノールサプリメントの開発・販売
・ビジネスでは「今すぐ、お金を払ってでも解決したい Problem」を継続的に解決するのが何より大事です。
・なので、学生の眠気という浅い Problem よりも、嚥下障害という狭く深い Problem に着目した方が、ビジネスがより大きくなる可能性があります。
「社会課題の解決」という点でも、狭く深い Problem に取り組むのは大事ですよ。
・OD 錠(口腔内崩壊錠)の製造プロセスや必要な原材料、生産に必要な設備機械やコスト、必要な特許ライセンスなど、テクノロジーについて色々調べてみてください。
「OD錠 技術」「OD錠 材料」などで検索すると、色々出てきますよ。
・調べてみると、化学とか生物とかの専門用語だらけで頭が痛くなりそうですよね。
しかし、ただ勉強するだけでなく「自分だけのビジネスプランとしてアウトプットする状況」だと、化学とか生物とかが苦手であっても、だんだん興味がわいてきませんか?
・学校で習った知識が、実際に社会で使われていることを知る。
そのテクノロジーを自分ごととしてアウトプットする。
それができるのがビジネスコンテスト、起業家教育の醍醐味だと思います!
解決策となる製品やサービスは、テクノロジーありきではなく解決したい Problem に立ち返って考える!
競合優位性(Competitive Advantages)の原文とアドバイス
■ 原文
< 解決策となる製品やサービスの優位性 >
使用するコーヒーがフェアトレードコーヒーであること。
加えてコーヒーの苦味はどうしてもコーヒー製品として売り出す際必要です。しかしそれでは、飲める人が限られてしまいます。
老若男女問わずコーヒーを摂取できることが優位性です。
■ メンターからのアドバイス
・フェアトレードコーヒーだというだけでは説明不足だと思います。成分は一般的なコーヒーと同じなので。
・この製品の倫理性や環境配慮を訴えることができるので、途上国支援や環境問題に関心が高い人が買ってくれるから優位だ、と書くとよいと思います。
ですが、こうしたことが Customer にも Problem にも書かれていないので、ビジネスプランに一貫性がないように見えてしまいます。
・それと実は、フェアトレードコーヒーを使うとむしろ不利になる可能性もあります。
一般的なコーヒーよりも調達コストが高くなるので、消費者への販売価格を高くせざるをえないからです。
・また、砂糖やミルクが入っていたりカフェインレスだったりして、老若男女問わず飲めるコーヒー飲料やコーヒー成分を含んだお菓子ってコンビニにたくさん売っていますよね? この製品に優位性があるとは言いづらいです。
・そもそもの Problem に立ち返ると、集中力や健康効果だったと思います。
ぜひ Problem に立ち返って、本当に何を解決したいのか明確にしてみてください。
・Problem を「嚥下(えんげ)力低下による栄養不足や脱水症」と考えると、
Solution で書かれていた「コーヒーポリフェノールの活用」や「嚥下が難しい高齢者でも飲める OD 錠」という切り口は、とても素晴らしい Competitive Advantages になりえますよ!
・ポリフェノールと一口に言っても、実は何千種類もあります。
コーヒーに一番多く含まれているポリフェノールは「クロロゲン酸類」で、血糖値の上昇抑制やアンチエイジングなどに効果があると言われています。
クロロゲン酸は、体内で消化されると一部が「フェルラ酸」という物質に変わり、このフェルラ酸は「嚥下機能の改善」や「認知症予防」などに効果があるのでは、という研究結果が出ています。
・こうした内容をまとめれば、コーヒー成分を使った OD 錠の Competitive Advantages を明確にできるのでは、と思います。
・「嚥下 フェルラ酸」などでインターネットで検索すれば、色々な研究論文やテクノロジーを見られるのでぜひ調査して、自分の頭で理解するようにしてください。
かなり難しいと思いますが、「自分のビジネスプランにアウトプットするんだ!」と意識すれば、ふつうの勉強よりも理解力がグンと上がりますよ!
例) https://kaken.nii.ac.jp/ja/report/KAKENHI-PROJECT-25460910/25460910seika/
・今回のビジネスプランに限らず、何か研究論文を探したいときはぜひCiNii という国立情報学研究所のサイトを活用してくださいね!
・なお、可能であればぜひ日本語の情報だけでなく、英語の情報も探してみてください。
「”調べたい単語” 英語」と検索すれば、英単語はすぐに分かります。
さらに英単語を組み合わせて検索すれば、日本語の数十倍ある英語の情報にアクセスできますよ。
・例えば今回のビジネスプランなら、
「嚥下障害 英語」で検索 ⇒ dysphagia
「フェルラ酸 英語」で検索 ⇒ ferulic acid
「dysphagia ferulic acid」で検索 ⇒ 世界中のさまざまな論文や学術誌が分かります。
・最初は「英語と理系の組み合わせって、何それハードルたかっ…!」と感じるでしょうし、ただの勉強なら途中で投げ出すだろうなと思います。
でもくどいようですが本当に、自分のビジネスプランに使うという目的意識があれば、脳が勝手に情報をとってくれますのでぜひチャレンジしてくださいね!
競合優位性の説得力を高めるには、自分の頭でテクノロジーを理解する!
ビジネスモデル(Business Model)の原文とアドバイス
■ 原文
この製品はスーパーのような多くの人が訪れる場やネットで販売します。
また、製品の使用するコーヒーは発展途上国から輸入した物を使用するので、コーヒー豆の農家に安定した生活ができる金額を支払う。
■ メンターからのアドバイス
・ビジネスモデルの書き方ですが、下のような図で表現すると分かりやすいので参考にしてみてください。あくまでイメージなのでご自身で完成させてくださいね。
・販売については、嚥下障害のある高齢者を Customer と考えると、スーパーやネット以外の販売チャネルもありそうです。
・例えば、クリニックや老人ホーム、介護用品のカタログ通販会社など、一般消費者ではなく事業者向けへの販売ができるかもしれません。
・「高齢者やその介護をする人はふだんどこへ行き、何を見るのか?」と、Customer の行動や生活スタイルを考えると、新たなビジネスモデルが見えることがありますよ。
Customer の行動や生活スタイルをビジネスモデルに反映させる!
ターゲット市場(Target Market)の原文とアドバイス
■ 原文
<1年目、3年目、5年目のターゲット市場>
1年目は、健康食品市場。
3年目、5年目は、お菓子市場。
■ メンターからのアドバイス
・ひとくちに健康食品市場と言っても非常に広いため、具体化に絞り込んでみてください。市場を絞り込むことで、製品やサービスをどう広告宣伝してどう売っていくのか、実現可能性を高められます。
・この製品は、おそらく健康食品市場の中でも「ポリフェノールサプリメント市場」に細分化できるかなと思います。
サプリメントは、カプセルや粉末の形状が多く嚥下機能が下がった人には摂取しづらいので、この市場で優位性を示すことができるかもしれません。
・ターゲット市場を決めたら、Customer 候補がどれくらいいるのかざっくりでよいので試算してみてください。
調べてみたところ、嚥下障害のある人がどれくらいいるかははっきりとは分かりませんでしたが、嚥下機能の低下により引き起こされやすい誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)のデータはあったので、ざっくりですがここからある程度試算ができるかなと思います。「誤嚥性肺炎 人数」などで検索してみてください。
・3年目、5年目とターゲット市場を広げるときは、例えばポリフェノール以外の OD 錠サプリメント市場に広げたり、海外の市場に広げたりすることが考えられます。
より大きな利益を生むビジネス、より広く社会課題を解決するビジネスになるよう、ぜひ検討してみてください。
ターゲット市場を絞り込まないと、販売方法や広告宣伝方法を具体化できない!
フィナンシャル計画(Financial Plan)の原文とアドバイス
■ 原文
< KPI (Key Performance Indicators: 重要業績評価指標)>
リピート率、平均受注単価、個人売上営業高
< 起業して1年間の ①売上、②コスト、③利益(= 売上-コスト) >
① 450 ② 300 ③ 150
< 資金調達方法 >
銀行融資で調達
■ メンターからのアドバイス
・この数字ですが、単位は何でしょうか?(円、千円、百万円など)
また、内訳がないのでなぜこの数字なのかが分かりません。
・せっかく可能性のあるユニークなビジネスプランなのに、数字の根拠が不明瞭だと、審査員は「実現可能性が低い」と評価せざるをえなくなってしまい、もったいないです!
・研究開発や工場生産が必要なビジネスプランなのに、起業1年目の利益率が 33%(利益 150 ÷ 売上 450)は高すぎます。
とくに1年目は、設備投資などでお金がかかり赤字(利益がマイナスになること)になるでしょう。
最初は赤字であっても、資金調達をしてしのいで将来的に黒字(利益がプラスになること)になるプランを考えてください。
・売上や、一般的なコストの考え方や計算方法は、こちらを参考にしてください。
今回のビジネスプランでおそらく考えづらい点を以下に補足しますので、ぜひご自身で調べて、理解して、自分の手で計算をしてみてください。
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・原材料の調達にかかるコスト(「コーヒー豆 相場」などで検索)
・製造の外部委託(OEM)にかかるコスト(「OEM サプリメント」などで検索)
ただし、OD 錠の製造コストは相場よりかなり高いと思います(数倍かかっても不思議ではない)。
・お店やカタログ通販会社などに販売してもらう場合の販売手数料(一般的には、販売価格の 30% 前後という多額の手数料を支払わないといけないです)
・自社でオンライン販売(EC)を行う場合のウェブサイト制作・維持費、決済手数料、販売手数料(「EC 手数料」などで検索)
・製品の配送料(「EC 送料設定」などで検索)
・「こんなに調べるの!?」と思いますよね?
でも、自分の頭で汗をかいて理解するからこぞ、自然な自信をもったプレゼンができますよ! 審査員は必ず見抜きます。
自分で理解して自分の手を動かしてこそ、自信を持ったプレゼンができる!
事例その3「C-OD 錠」の総評
・以上です。今回のビジネスプランは、Problem と Customer が広くあいまいなために全体の一貫性に欠けているように見えました。また、お菓子の製造販売だけだとビジネスのスケールが小さく終わってしまいます。
・一方で、嚥下機能が低下した高齢者向けの OD 錠というアイデアは、スケールの大きいビジネスになり得る可能性を感じました! Customer の QOL (Quality of Life) も高まりそうですし、社会貢献としても大きいと思います。
・今回のビジネスプランでは、下記2点がカギになりそうです。
・「Problem / Customer / Solution の一貫性を持たせられるか?」
・「どれだけご自身でテクノロジー面やファイナンス面を理解できるか?」
・ぜひ、多くの人の強い痛み(Pain)を解決できるスケールの大きいビジネスプランにしていってください。期待しています!
以上が、「C-OD 錠」の実際のビジネスプランと、メンターからのアドバイスです。
ぜひ皆さんのビジネスプラン作成の参考にしてくださいね!
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「総合型選抜や学校推薦型選抜の出願書類をどう書けばいいか分からない!」
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