高校生向けビジネスコンテストで優勝を目指すには?【問題・顧客・解決策の3点セットが命!】

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ビジネスコンテスト未経験の高校生
ビジネスコンテスト未経験の高校生

どうすればビジネスコンテストで良い成績を取れるんだろう…

起業やビジネスコンテストに興味はあるけど、未経験の私でも入賞できますか?

 結論から言うと、「問題・顧客・解決策」の3点セットを徹底的に磨き上げることが、優勝に近づくためのポイントです。

 なぜこの3点セットがビジネスコンテストで大事なのかを、理由や具体例を挙げて解説しますね!

 なお、ビジネスプラン全体の書き方についてはこちらの記事をご覧ください。

■ この記事を読むと分かること

・どんなビジネスプランが高く評価されるのか? が分かります

・なぜ「問題・顧客・解決策」の3点セットが大事なのか? が分かります

・ビジネスコンテストで入賞すると手に入るものが分かります


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■ この記事を書いた人 柏 陽平
・高校生・中学生向け起業家教育プログラム「GTE®」メンター、共同運営者
・早稲田大学大学院商学研究科修了後、日産自動車入社。全員インド人のチームで IT プロジェクトのリーダーを経験するなどした後、退社。(株)ダイバーシティ・コンサルティング代表
・コンサルティング会社や IT 企業向けにロジカルシンキングなどの研修を100社以上に実施。他、統計学や経営工学を使った論文や白書のコンサルティング、英日翻訳など
・小学校・中学校で不登校。5歳の子を育てる兼業主夫


 ビジネスプランコンテストで入賞すれば、総合型選抜(AO入試)、推薦入試、海外留学など大学受験でアピールできます。
 またそれ以上に、コンテストに挑戦した自信や学びは、今後の進路やキャリアの選択肢を増やしてくれますよ!

 「ビジネスコンテストって何?」「起業ってよく分からない」という人でも、優勝できるチャンスは十分あります。

 この記事は未経験の人向けに書いているので、ぜひ最後まで読んでくださいね!


問題・顧客・解決策の3点セットを徹底的に具体化する

「問題・顧客・解決策」の3点セットが命!

問題とは

 問題(Problem)とは、ビジネスの文脈では「お金を払ってでも今すぐ解決してほしいほどの痛み」と言えます。

 問題の中でもとくに大きな問題を痛み(Pain)と呼び、Pain をいかに解決できるかが起業の成功/失敗に大きく影響します。

 逆に、「お金を払うまでもない」「今すぐ欲しくはない」「苦しい、面倒臭い、ストレスなどとは思わない」ような小さな問題を扱うビジネスは、一見良さそうだけど製品やサービスがあまり売れず、起業が失敗する可能性が高くなります!

 こういった問題はビジネスというより政府や NPO に向いた事業なので注意してください。

 起業やビジネスコンテストで一番大事なことは、間違いなく「問題は何か?」です。

 ↓ のビジネスプランの書き方の記事で、問題の重要性についてより詳しく解説しているのでこちらも参考にしてみてください。

顧客とは

 顧客(Customer)とは、「その問題の解決にお金を支払う人や組織」です。

 同じような問題を抱える人はたくさんいますが、ビジネスにおいては最も多く、また頻度高くお金を支払ってくれる顧客は誰かを探すことが大事です。

 注意点としては、その問題に困っているけどお金を払えない、払いたくない人を顧客にするのは、起業では失敗する可能性が高くなります。
 典型例は貧困問題やごみ処理問題などの社会問題で、継続的にお金が得られないとビジネスとしては継続的な解決が困難です。

解決策とは

 解決策(Solution)とは、「その問題を解決する製品やサービス」です。

 問題を徹底的に解決でき、さらに他のライバルに真似されづらい解決策を提供できるかどうかが起業の成功/失敗に影響します。

 なお、掃除機や飲料などカタチのあるものは「製品」、ウェブサービスや学習塾などカタチのないものは「サービス」と言います。

問題・顧客・解決策の3点セットをフィットさせる

 問題・顧客・解決策の3点セットがフィットしていれば、

 「私たちが解決する問題は〇〇です」
 「この問題に非常に困っているのは〇〇の人たちで、月に~時間のムダな作業時間を強いられています」
 「私たちが提供する〇〇というサービスは、この問題にかける時間をゼロにできます」

 と、審査員に対して、ストーリー性を持った説得力あるプレゼンテーションができます。

 具体例として、2022 年度 GTE ビジネスプラン・グランプリ(旧名 DECA JAPAN ビジネスプラン・グランプリ)英語部門で最優秀賞となった「ROCRAYONS」を見てみましょう。

 このビジネスプランは、自閉症など文字や絵を描くことに困難のある児童向けに、持ちやすく感覚の過敏性に配慮したクレヨンを開発・提供するというものです。

問題(Problem) :
  発達障害により、普通のクレヨンは保持しづらい、発色に感覚過敏がある、などの困難がある

顧客(Customer):
  発達障害のある子を持つ親

解決策(Solution):
  保持しやすく感覚刺激が低いクレヨンの開発・提供

 「ROCRAYONS」は、問題・顧客・解決策の3点セットがうまくフィットしており、「このビジネスプランで起業すれば発達障害のある児童の痛み(Pain)を継続的に解決できそうだ!」と、直感的に分かりやすいストーリーで理解できると思います。

 「ROCRAYONS」の実際のビジネスプランと、メンターからのアドバイスがありますのでこちらも参考にしてみてくださいね!


問題・顧客・解決策の3点セットが大事な理由は、審査基準にあり

問題・顧客・解決策の3点セットが大事な理由は、審査基準にあり

審査員は何を見ているのか?

 参加者が提出したビジネスプランを、審査員はどう評価するのでしょうか?

 評価の基準、つまりモノサシとなるのが審査基準です。下記にいくつか審査基準の例を示します。

 日本政策金融公庫『高校生ビジネスプラン・グランプリ』の審査のポイント

 1. 商品・サービスの内容
  商品・サービスに高校生・高専生ならではの豊かな発想や着眼点があるか。人々の生活や世の中の仕組みの改善、または地域・社会に貢献する事業内容であるか。
 2. 顧客
  ニーズを把握し、具体的な顧客(ターゲット)を想定しているか。販売方法や広告・宣伝方法が具体的で、商品・サービスの内容とマッチしているか。
 3. 必要な経営資源
  必要な経営資源(ヒト、モノ、技術・ノウハウ)等が考慮されているか。
 4. 収支計画
  ビジネスを継続できるだけの売上・利益が見込まれるか。

https://www.jfc.go.jp/n/grandprix/

 GTE ビジネスプラン・グランプリの審査項目

 1. 自分たちの製品・サービスが解決したい問題は明確か?
 2. 自分たちの製品・サービスは、問題を徹底的に解決できる解決策か?
 3. ターゲットマーケット(顧客層)の存在は明確か?
 4. 自分たちの製品・サービスの競合優位性が説明されているか?
 5. ビジネスモデル(収入の流れとコスト構造)は明確か?

https://www.gtekapion.org/contest


 日本政策金融公庫の審査ポイント 1. が解決策と問題、審査のポイント 2. が顧客を示しています。

 GTE ビジネスプラン・グランプリの審査項目では、1. 2. 3. で問題・顧客・解決策の3点セットを審査しています。

 見逃せないのは、日本政策金融公庫の審査ポイント 2. の文末にある「商品・サービスの内容とマッチしているか」という一文です。

 問題・顧客・解決策はそれぞれ独立したものではなく、3点セットで審査されることが、この文言からも分かると思います。

実は存在する傾斜配分

 ビジネスコンテストにより審査基準はさまざまですが、すべての審査基準が同じ重みという訳ではありません。

 審査基準が複数あっても、「問題・顧客・解決策の3点セットが明確か」が最重要の審査基準だと断言できます。

 なぜ断言できるのか? 理由は、現実世界の投資家(ベンチャーキャピタルやエンジェル)が、問題・顧客・解決策の3点セットをまず見て投資するかどうか判断するからです。

 たくさんあるビジネスコンテストの原型となったのは起業家による投資家へのプレゼンなので、一般的なビジネスコンテストの審査基準は問題・顧客・解決策の3点セットを最重要視していると考えられます。

GTEメンター柏
GTEメンター柏

ベンチャーキャピタルやエンジェルなど投資家は、問題・顧客・解決策の3点セットが明確でないと、話を聞いてもくれません。

それだけ、問題・顧客・解決策の3点セットが起業の成功/失敗を左右するのです。


ビジネスコンテスト入賞で手に入るもの

ビジネスコンテスト入賞で手に入るもの

大学受験で有利になる

 ビジネスコンテストで入賞すれば、総合型選抜(AO入試)、推薦入試、海外留学の際に、受賞歴として記載できます。
 あなたの問題解決能力やプレゼンテーション能力をアピールする材料になるでしょう。

 入賞できなかったとしても、ぜひ課外活動実績として書いてください。

 ビジネスプランを作る過程で、起業アイデアに悩んだり、色々な調査をしたり、文章をまとめたりしたはずです。
 努力の過程で、あなたの行動力や思考力は確実に上がっています。ぜひ大学受験でアピールしてくださいね。

 なお、高校生向けビジネスコンテストの一覧を別記事でまとめましたので、こちらもご参照ください。

進路のヒントが見つかる

 大学受験が近づくと、「どの大学を目指せばいいんだろう…」「学部ってどう選べばいいの?」と悩みますよね。
 ビジネスコンテストへの参加が、大学、学部選びのヒントになるかもしれません。

 私たち GTE の起業プログラムやビジネスコンテストに参加した高校生を見ると、ビジネスプランを作る過程で今まで知らなかった自分の興味や強みに気づく生徒が多いです。

 「顧客インタビューやアンケートを繰り返すことでマーケティングを深く学びたくなった」
 「チームワークで散々苦労して人の成長、教育分野に興味を持った」
 「AI の仕組みを勉強してコンピュータ科学に興味を持った」

 など、自分の進路のヒントがあちこちに散らばっているはずですよ!

起業の基礎知識を持った上でキャリアを形成できる

 ビジネスプランコンテストや起業家育成プログラムで起業の基礎知識を持っておけば、高校や大学での学びは、将来起業するかもしれない前提での学びとなります。

 「親や先生から言われているから」勉強するよりも、
 「将来自分のキャリアにつながるから」勉強する方が、やる気も吸収力も全然ちがいますよね?

 皆さんの進路の選択肢を増やすためにも、ぜひビジネスコンテストに挑戦してみてください!

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起業プログラムで進路が見つかっただけでなく学校の成績が上がった例として、せつかさんへのインタビュー記事を読んでみてください!
『母の英語教室を手伝ったとき、『日本の英語教育を変えられる』と自信が持てた』
https://note.com/decajapan/n/n0843abf4f083


まとめ: 問題・顧客・解決策の3点セットを徹底的に具体化しよう!

 さいごにまとめです。

■ この記事のまとめ

・高校生向けビジネスコンテストで優勝を目指すには、問題・顧客・解決策の3点セットを徹底的に具体化しましょう。

・なぜなら、審査員はこの3点セットを重点的に評価しているからです。

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