競合優位性の書き方を教えてください!
■ ビジネスプランの書き方基本7項目の全体像(親記事) (※ 項目名をタップするとリンク先が開きます)
1.問題(Problem)
このビジネスで解決したい問題は何ですか?
2.解決策となる製品やサービス(Solution)
その問題をどうやって解決するのでしょうか?
3.競合優位性(Competitive Advantages)
なぜ顧客は、競合製品ではなくあなたの製品やサービスを買わないといけないのですか?
4.顧客(Customer)
その製品やサービスにお金を払ってくれるのは誰ですか?
5.ターゲット市場(Target Market)
その製品やサービスは具体的にどんな市場をねらって売り込みますか?
6.ビジネスモデル(Business Model)
その製品やサービスはどんな販売方法、価格戦略、広告宣伝で販売しますか?
7.収支計画(Financial Plan)
年間の売上・コスト・利益はどの程度で、起業後どれくらいで利益がプラスになりますか?
(その他(Others))
基本7項目以外で、特定のコンテストによっては書くべきこと
(※ 目次をクリックすれば、どこからでも読めます)
競合優位性(Competitive advantage)の書き方
競合優位性とは、顧客がその商品を買う理由
競合優位性(Competitive Advantage)とは、顧客が「競合のライバル商品ではなく皆さんの商品を買う理由」となるものです。
皆さんは、似たような商品が並んでいるときに「テレビ CM でよく見る有名な商品」と「聞いたこともない商品」のどちらを買いたいと思うでしょうか?
とくべつの理由がない限り、有名企業の商品を買う人が多いと思います。有名企業の商品にはブランド力があり、安心感や信頼感があるからです。
しかし、皆さんがプレゼンするのは「聞いたこともない、何のブランド力もない商品」です。だから、競合優位性がハッキリしていないと審査員は「この商品は本当に売れるのだろうか?」と疑問に思ってしまいます。
私の経験上も、現実の起業では「買う理由」が弱い製品やサービスは、無残なほどまったく売れません!
どうやって競合優位性を見つけるのか?
競合優位性を見つけるには、2つのステップを踏みます。
1つ目のステップは、比較する基準(Criteria)を決めます。基準はビジネスプランによって異なりますが、一般的には、下記のマーケティングの4P(4P’s of Marketing)のフレームワークを使うと整理しやすいです。
■ 4P’s of Marketing で競合と比較する
- Product(製品やサービス)
「何の問題をどう解決するのか?」 - Price(価格)
「その製品やサービスはいくらで、どう支払うのか?」 - Place(販売場所)
「その製品やサービスはどこで買えるのか?」 - Promotion(広告宣伝や販売促進)
「その製品やサービスをどう広め、購入につなげるのか?」
2つ目のステップは、競合となる製品やサービス、代替策を調べます。自分たちと同じ問題を解決するライバルは何があるのか、インターネットで調べたり、顧客ヒアリングをしたりして調べてみてください。なお、下記の例のように、比較対象は競合商品だけに限らないことに注意してください。
■ 自動販売機で売るスポーツドリンクの競合の例
- A, B, C 社のスポーツドリンク
- 自動販売機で売っているスポーツドリンク以外の飲み物
- 近くのコンビニ
- 公園の水飲み場
競合との比較表の書き方
比較表の具体例
競合優位性は、比較表を使い、基準ごとに強みと弱みを整理すると分かりやすいです。下記の例が参考になるでしょう。
■ DECA ICDC (International Career Development Conference)
アメリカの国際大会で入賞した 3D プリンターシューズ「BAREFIT」の比較表の例
BAREFIT (Our company) | River Field | ECCO |
---|---|---|
■ 1. Product | ||
1.1 Well-fitting 足にフィットするか | ||
[ Good ] Fitting customer’s feet using by 3D measurements 3D測定でフィット | [ Good ] Fitting customer’s feet using by 3D measurements 3D測定でフィット | [ Good ] Fitting customer’s feet using by 3D measurements 3D測定でフィット |
1.2 Quality 品質が高いか | ||
[ Not good ] Low 品質は余り高くない | [ Good ] High 品質が高い | [ Good ] High 品質が高い |
1.3 Variety 品ぞろえは幅広いか | ||
[ Not good ] Narrow 品ぞろえは狭い | [ Good ] Wide 幅広い品ぞろえ | [ Good ] Wide 幅広い品ぞろえ |
■ 2. Price | ||
2.1 Sales price いくらか | ||
[ Excellent ] 9,500 yen | [ Not good ] 42,000 – 87,000 yen | [ Not good ] 76,000 yen |
■ 3. Place | ||
3.1 Real store リアル店舗があるか | ||
[ Excellent ] Located within nail salons in Tokyo 東京のネイル ショップでも販売 | [ Not good ] Only Shiga prefecture 滋賀県のみ | [ Good ] Department stores in Tokyo 東京の百貨店で 販売 |
3.2 Online store オンライン購入可否 | ||
[ Good ] Available オンライン購入可 | [ Good ] Available オンライン購入可 | [ Good ] Available オンライン購入可 |
■ Promotion | ||
4.1 Advertising 広告宣伝はどうか | ||
[ Good ] Instagram, flayers, or town magazines インスタ、チラシ、 タウン情報誌など | [ Good ] Furusato Nozei (hometown- donation) ふるさと納税など | [ Good ] Search engine advertising, flayers リスティング広告 チラシなど |
競合優位性の注意点
都合のよいことだけを書かない
競合優位性を書くときは、自分たちに都合のよいことだけを書くのは避けた方がよいです。都合よく作った比較表は、審査員が見ると一発でバレます。
(自分たちに都合よく競合を書いているな…
このサービスが不利なところを質問してやろう)
自分たちが弱いところがあってもよいので、しかし、「顧客の問題をもっとも徹底的に解決できるのは自分たちだ!」と分かるように比較表を書いてみてください。それが、皆さんの「独自の価値」になりますよ!
すぐにライバルにマネされることだけを書かない
現実の起業では、競合優位性を持ち続ける手段がないと、すぐにライバルに真似をされてしまいます。
審査員が社会人の起業も審査しているビジネスプランコンテストでは、かなりの確率で「ライバルに真似されたらどうする?」と審査員が質問をするので、もし可能であれば、ライバルにマネできない手段を書いてください。
■ ライバル企業に真似されないための手段の例
- 特許技術の独占使用権を持っている
- 自社が市場を確保できるよう国と法整備をしたり、業界標準(デファクト・スタンダード)をつくる
- ユーザーを一気に集める〇〇という手段があるので、あとでライバルが真似してもユーザーをとれないようにする
「3.競合優位性」は以上です。ぜひ皆さんのビジネスプランに活かしてみてください。
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