
AO入試の筆記試験(Creative Writing)って、どう対策すればいいんですか?
このページでは、早稲田大学 国際教養学部(SILS: School of International Liberal Studies)の AO入試(総合型選抜)で課される筆記試験「Creative Writing」について徹底解説します!
■ 合格率を上げるポイント3つ
- 英文記事の形式になれる
- 過去問に近い英文記事をたくさん要約する(まずは日本語で OK!)
- 過去問に近い英文記事を使って Essay(自由英作文)をたくさん書く
※ データは令和7年度入試(2025年入試)のものです。
※ 本記事は筆者が独自に執筆しまとめたものです。正確な情報を得たい場合は必ず大学の公式情報をご確認ください。

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(※ 目次をクリックすれば、どこからでも読めます)
AO 入試筆記試験(Creative Writing)の出題形式
過去問の入手方法
早稲田大学のウェブサイトから過去問を入手できます。
しかし、著作権の関係上、本文は非公開になっていることがほとんどです。ただ、問題文や選択肢は確認できるので出題傾向はだいたい分かります。
大問は3つで構成
Creative Writing は、大問3つ、設問 32 問で構成されます。
大問1つあたり、英語長文が2~3ページあります(おおよそ大問1つあたり 1500 ~ 2500 words)。かなりの文量を読み込まないといけないので、スピーディーに英語を読み解く必要があります。
試験時間は 120 分
設問がとても多く、かつ、Reading 問題と Writing 問題の両方をこなさないといけませんが、試験時間は 120 分しかありません。
Reading と Writing 両方の問題が出題
筆記試験の名前こそ「Creative Writing」ですが、実際には 32 問中 30 問が Reading 問題です。そのため、単語力や長文読解力が相当高くないと点数は取れません。
一方で、Writing 問題(Essay writing)は 2 問のみとはいえ、本文を踏まえた自分の意見をかなりの文量で書かないといけません。
Writing は 1 問あたり 21 行あるので、ざっくり 1 行 10 words くらいと考えると、200 words の Essay writing を2つ分(合計 400 words 分)、英語で書く必要があります。
Reading と Writing すべて含めて、試験時間 120 分ですべてこなす必要があります。

併願先として多い国際教養大学の英語小論文は
・本文は半ページ、Reading 問題なし
・Essay は 300 words 以上を1つ
・試験時間は 90 分
なので、いかに Creative Writing の難易度が高いか良く分かります!

国際教養大学の筆記試験は、意見の説得力や経験のユニークさなどを多面的に評価しますし、日英面接もあるので、一概に比較できませんが、早稲田大学 国際教養学部の方が求める英語レベルが非常に高いです!
頻出テーマと出題傾向
大問のテーマは、環境問題、語学、教育、社会変化、人生観、伝記などが扱われることが多いです。
本文は、ほとんどが新聞記事(ニュースサイトの記事)から、または伝記本の一節からとられています。
とくに、「The New York Times」からの出典が最頻出です(過去4年間で、大問合計 12 個中 6 個で出典)。そのため、The New York Times の記事に慣れることが Creative Writing 試験に慣れることに直結すると言えるでしょう。また、イギリスの大手新聞「The Guardian」や、アメリカの経済誌「Forbes」からも出典されています。

とはいえ、「The New York Times」のウェブサイトを読むには月額 1,000 円程度のお金がかかります。
お金をかけずに練習するなら、「The Guardian」やアメリカのニュースサイト「NPR」、日本の「NHK World」も使えますよ!

とくに「NPR」は、記事の音声も聞けるのでオススメです!
Reading 問題の頻出パターン
32 問中 30 問ある Reading 問題は、頻出パターンが5つと、頻出ではないが押さえるべきパターンが3つあります。
それぞれボリュームがあるので、下のバーをタップして詳細をご確認ください。
頻出パターン5つ
1.穴埋め問題 15 問(マークシート式)
過去問4年分のすべての年度で、大問1の設問 1~15 は単語または文単位の穴埋め問題になっています。
なお、設問文に「in terms of standard written English.(標準的な英文ライティングの観点から回答せよ)」とありますが、ふつうの穴埋め問題だと思って差し支えないかなと思います。
2.誤り訂正問題 5 問(記述式)
過去問4年分のすべての年度で、大問1の設問 16~20 は文章中の誤り訂正問題になっています。マークシート式ではなく記述式なので、穴埋め問題よりやや難しい問題です。
ここでも設問文に「in standard written English」とありますが、ふつうの誤り訂正問題と思っても差し支えないでしょう。
3.リストから単語を選ぶ穴埋め問題 1 問(マークシート式)
文中の空欄6つについて、(a) – (f) までのワードリストから適したものを選びます。大問2と3で出題されます。
4.単語や文の定義問題1問(マークシート式)
文中の3つの単語または文について、その定義を選択肢から選びます。大問3で出題されることが多いです。
5.さまざまな内容理解問題 6~8 問(マークシート式)
本文の内容理解を問う問題が 6~8 問出題されます。大問2と3でもっとも頻出です。
ひとくちに「内容理解問題」と言ってもさまざまな問われ方がされます。そのため、問題文をよく読み、何が問われているか理解するのがポイントです。
■ 本文の内容理解を問う問題文の例
- 本文の内容にもっともよくあてはまる選択肢を選ぶ
- 筆者の主張からすると、何をすべきかよくあてはまる選択肢を選ぶ
- 本文から「示唆されるとは言えない」内容の選択肢を選ぶ
頻出ではないが押さえるべきパターン3つ
1.要約文を並べ替えて完成させる問題(マークシート式)
本文の内容についての要約文を、(A) – (H) までの8つの文のうち4つを使って、並べ替えて完成させます。大問2か3で出題されることがあります。
問題そのものの難易度が高く、回答に時間がかかる上に、初見では何を問われているのか分かりづらいので、しっかり対策しておきましょう。
2.文の挿入問題(マークシート式)
5行程度の文が提示され、その文を本文中のどこに入れるかを選びます。大問2か3で出題されることがあります。
3.パラグラフの並び替え問題(マークシート式)
パラグラフ中の文について、文の並びを選びます。大問2か3で出題されることがあります。

他の大学の英語試験にはあまり出ない出題形式なので、最初は戸惑って時間がものすごくかかると思います。でも、形式に慣れれば大丈夫ですよ!
Writing 問題の頻出パターン
例年、Writing 問題は大問2の最後に1つ、大問3の最後に1つ、合計2問出題されます。
回答形式としては、21 行(約 200~ words)の Essay writing を書きます。
問題の頻出パターンは、筆者の主張について賛否を問う形式がほとんどです。
■ Writing 問題の例
グレタ・トゥーンベリさんの主張を聞いて、あなたは大学で気候変動と戦うサークルに入りたいと思いますか? 入りたい理由または入りたくない理由は? あなたの意見とそれを裏付ける2,3の理由についてエッセイを書きなさい。(英語問題文を意訳)
Creative Writing 2023年度入試 大問2 設問 6
書くときは、Essay writing の基本的な構成で書くとよいでしょう。下記の書き方を参考にしてみてください。
また、本ウェブサイトの別ページで国際教養大学の英語小論文を対策しているので、そちらでも詳しく解説しています。
- Introductory paragraph(導入部)で、本文の簡単な要約をした上で、賛成なのか反対なのかを明確に書く(どっちとも取れるような意見にしない)。
- Body paragraphs(展開部)で、賛成の理由または反対の理由を2,3個詳しく(2,3パラグラフ分)書く。
- Concluding paragraph(結論部)で、もう一度賛成なのか反対なのかを明確に書く。

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合格率を上げるポイント3つ
英文記事の形式になれる
Creative Writing の問題は、「The New York Times」や「Forbes」など、ネイティブからしてもハイレベルな記事から出れます。単語も文構造も難しいので、おそらく初見では歯が立たない高校生が多いと思います。
しかし、1つの記事にじっくり取り組んで、分からない単語や文構造を1つ1つ調べて理解すれば、英語力はグンと上がります!
なんとなく読んで、「分からない」と投げたり分かった気になったりせず、辞書と格闘しながら時間をかけて1つの記事の理解を深めてください。
ただ、「The New York Times」は内容が難しい上に、ウェブサイトの記事を見るにはお金がかかります。そのため、さまざまなニュースサイトを活用してみてください。
- The New York Times: アメリカの大手新聞社のニュースサイト。早稲田大学 国際教養学部 AO 入試で最頻出(過去4年間で大問 12 個中 6 個で出題)。ただし記事を見るには月額課金が必要。
- NPR: アメリカの NPO が運営する大手ニュースサイト。過去の入試で出典されたことはないが、音声もあり英文記事に慣れるのに非常にオススメ! 無料で記事を閲覧できる。
- NHK World: 日本の NHK が運営する英語のニュースサイト。「まだ他の記事は難しすぎる!」という方にオススメ! 日本語で同じ内容を聞いているので理解がしやすいし、単語レベルや文章量などの点でも他のニュースサイトより難易度が低い。
過去問に近い英文記事をたくさん要約する
上で紹介したニュースサイトを見て、「少しでも」興味を持てた記事を開いてみてください。最初は、短い記事がよいです。
何度も読んだり、辞書を引いたりしながら記事を何となく理解できたら、要約をしましょう。
要約の練習をこなせば、Reading で頻出の「内容把握問題」に格段にとりくみやすくなりますよ!
要約を書くとき、いきなり英語で要約を書こうとすると、まず間違いなく挫折します。なので、まずは日本語で OK です。要約は下記のようにまとめるとよいでしょう。
※ 文量は目安です。まずは日本語で OK です。
- 記事の最初のパラグラフを基に、何について書かれたものなのかを1行で書く
- 記事の最初のパラグラフを基に、筆者が主張していることを1行で書く
- 記事の第2パラグラフ以降を基に、筆者の主張を裏付ける根拠や具体例を4~5行くらいで書く。なお、各パラグラフの Topic sentence(そのパラグラフで言いたいこと。最初の1文目にあることが多い)を参考にするとよい
- 記事の最後のパラグラフを基に、筆者の主張をもう一度まとめて1行で書く

ちなみに、英語長文の要約を練習しておけば、一般選抜の Writing 大問3の対策にもなりますよ!
過去問に近い英文記事を使って Essay をたくさん書く
上で紹介したニュースサイトの記事を読んで要約を書いたら、今度は、その記事で主張していることに賛成か? 反対か? その理由は? 自分の意見を英語で書きます。
words 数(単語数)は、大問2と3の Writing 問題と同じく 21 行以内(200 words くらい)でまとめるとよいでしょう。この文章量で書くことに慣れれば、本番でも慌てずに書けますよ!
書き方は、このページの Writing 対策で解説したことと同じなので再掲します。
- Introductory paragraph(導入部)で、本文の簡単な要約をした上で、賛成なのか反対なのかを明確に書く(どっちとも取れるような意見にしない)。
- Body paragraphs(展開部)で、賛成の理由または反対の理由を2,3個(2,3パラグラフ)書く。
- Concluding paragraph(結論部)で、もう一度賛成なのか反対なのかを明確に書く。

ちなみに、英語長文の要約と Essay writing を練習しておけば、併願校の対策にもなりますよ! 例えば、国際教養大学の英語小論文、東北大学 法学部 AO 入試、東京外国語大学 後期日程などです。
どう対策すればいいか迷っている高校生とその保護者の方へ
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