SFC AO 入試の提出書類、たくさんありすぎて困っています!
このページでは、慶應義塾大学 SFC(総合政策学部と環境情報学部)AO 入試の提出書類にしぼって解説します。
⇒ SFC AO 入試の概要や合格のポイントはこちらのページをご参照ください。
※ データは令和7年度入試(2025年入試)のものです。
※ 本記事は筆者が独自に執筆しまとめたものです。正確な情報を得たい場合は必ず大学の公式情報をご確認ください。
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(※ 目次をクリックすれば、どこからでも読めます)
慶應義塾大学 SFC の提出書類一覧
下の表は、SFC AO 入試の提出書類一覧です。
入力項目 | 内容 |
---|---|
A. 活動報告 | 中学校卒業以降に積極的に取り組んだ、すべての分野の活動と成果等(1 つにつき 35 字) |
その中から、最も自己評価した内容と、その内容を選んだ理由(200 字) | |
学校その他の団体等における主な活動歴(活動記録と重複可) | |
各種競技・コンクール・懸賞論文等参加歴(活動記録と重複可) | |
資格・検定・段位等の取得 | |
団体活動・競技における役割と実績(100 字) | |
あなたに関して知っておいてほしいことがあれば入力してください(500 字) | |
B. 応募試験基本情報 | 出願学部、入学時期、入学手続きに使用する言語 |
入学時期の理由と入学までの学修計画(200 字) | |
C. 志望理由・入学後の学習計画・自己アピール | 志望理由書(2,000 字) |
自由記述(A4 サイズの用紙 2 枚以内の大きさであれば表現方法は自由) | |
D. 任意提出資料 | 中学校卒業以降のさまざまな分野での取り組みとその成果、および大学入学後の目標や構想実現に必要な意欲や能力等を示す資料 10 点まで(1 つにつきそれぞれ要約や補足 200 字) ※ 任意提出資料は複数ページの資料、動画、資格や表彰等の証明書なども OK |
それぞれのポイントをこれから解説していきます。
なお、このページでは便宜上「提出書類」という言い方をしていますが、実際にはオンライン入力と、PDF ファイルのアップロードにより出願を行います。
慶應義塾大学 SFC の提出書類 - A. 活動報告-
A-1. 中学校卒業以降に積極的に取り組んだ、すべての分野の活動と成果等(1 つにつき 35 字)
中学校卒業以降に取り組んだ活動記録のすべてを、「年・月・学年・年齢・活動内容(35 字)」で書きます。
どんな小さなことであっても、何がしらの活動や成果があれば1つでも多く書いておきましょう。部活、委員会活動、授業での活動や成果、課外活動、ボランティア、何でも構いません。
とはいえ、目安があると書きやすいと思います。募集要項 XI. Q&A(よくある質問)の Q2-2 が参考になるので引用します。
Q2-2 アピールするべき学業ならびに学業以外の諸成果の例を教えてください。
SFC 募集要項
A2-2 次のいずれかに該当すると自己評価できるものを目安にしてください。
A学術・文化・芸術・スポーツなどさまざまな分野において,研究,創作発表,コンクール,競技などの活動を通し,社会的に評価を得ている
B外国語能力やコンピュータ技術等の技能において優れており,高度な資格や技術を有している
C社会的な奉仕活動やその他の社会活動を通し,その成果や業績が認められている
D学業が優秀であり,創造的,積極的な学習姿勢を堅持している
E学業,人物ともに優れ,地域社会や高等学校等において指導的な役割を積極的に果たすなど,評価を得ている
F関心や興味を持ったテーマに関して自由研究や自主学習などの自発的な取り組みを開始し,成果をあげている
なお、書く順番は「年月が古い順」または「新しい順」のどちらかの時系列がよいです。単純ですが、時系列がバラバラだと読みづらく評価も下がってしまいます。
A-2. その中から、最も自己評価した内容と、その内容を選んだ理由(200 字)
A-1. の活動記録の中から1つを選び、最も自己評価した内容と理由を 200 字で書きます。
自信があればどれでも構いませんが、次のどちらかを選ぶのがオススメです。
1.「志望理由書に書いた内容と関係が深い活動」を選び、なぜその活動が将来キャリアや研究テーマとむすびつくのか理由を書く(活動が少なめな人にオススメ。志望理由をより深められる)
2.「志望理由書には書き切れなかった活動」を選び、なぜその活動が将来キャリアや研究テーマとむすびつくのか理由を書く(活動が多い人にオススメ。志望理由の視点の幅を広げられる)
どの活動を選んでも OK ですが、将来キャリアや研究テーマとむすびつけると書きやすいですよ!
A-3. 学校その他の団体等における主な活動歴(活動記録と重複可)
A-4. 各種競技・コンクール・懸賞論文等参加歴(活動記録と重複可)
A-3. と A-4. はまとめて解説します。
活動が少なめな人は A-1. の活動記録と重複して書いて OK です。
一方で活動が多い人は、すべて A-1. の活動記録に書くと見づらくなるので、A-1. / A-3. / A-4. の3つに分けて書くとよいです。採点者は整理して見やすいので好印象につながるでしょう。
A-5. 資格・検定・段位等の取得
英検や数検などの検定、日商簿記や情報処理技術者試験などの資格、柔道や書道などの段位などを書きます。
A-6. 団体活動・競技における役割と実績(100 字)
サッカーなどのチームスポーツや委員会活動、吹奏楽部などの部活、ビジネスプランコンテストなどでチームで取り組んだことなど、他人と協力しながら活動したときの役割と実績を書きます。
役割は、部長とかリーダーとかでなくても構いません。資料を作ったり配布したりするなど地味な役割であっても大切なアピールポイントになります。
リーダーシップの定義の一つは「自分の行動や発言が誰かに影響を与えること」。
資料整理や会計、清掃など、書くのをためらうほど地味な役割であっても、ちゃんとリーダーシップを発揮していますよ!
A-7. あなたに関して知っておいてほしいことがあれば入力してください(500 字)
ここは何を書くか迷うと思いますが、せっかく 500 字も書けるスペースがあるのです。しおらしく書くのではなく、グイグイと自分をアピールしましょう! 例えば以下のようなことを書くとよいでしょう。
・何か配慮してほしいこと。例えば、何らかの障害を持っているなど。
・自分のバックグラウンド。例えば、さまざまな国で生活してきて多様性を体感している、超田舎で育ち地域共同体の価値観を体感しているなど。
・自分の強みと弱み。例えば、話し方がキツイとよく言われるけどディベートでは負けないなど。
慶應義塾大学 SFC の提出書類 - B. 応募試験基本情報-
B-1. 出願学部、入学時期、入学手続きに使用する言語
総合政策学部か環境情報学部か、4月入学か9月入学か、日本語か英語かを選択します。
なお、募集要項 II. 入学者選考の概要によると、入学手続きに使用する言語は、4月入学は「日本語のみ」、9月入学は「日本語と英語の2択」となります(日本語が不得手な生徒は9月入学推奨)。
B-2. 入学時期の理由と入学までの学修計画(200 字)
まずは、4月入学または9月入学を選択した理由を書きます。とくに9月入学を選択した場合は、英語クラスで授業を受けたいからとか、高校卒業後のギャップイヤーを利用して何らか活動をしたいからなどの理由を書くとよいでしょう。
次に、入学までの学修計画を書きます。例えば、英検や TOEFL などの外国語試験を受ける、研究などの課外活動を行う、企業や団体等でインターンを行う、など。
慶應義塾大学 SFC の提出書類 - C. 志望理由・入学後の学習計画・自己アピール-
C-1. 志望理由書(2,000 字)
おそらくもっとも時間をかけて推敲を重ねる書類が、志望理由書です。どんなに早くても完成まで 2 か月はかかりますし、2,000 字にまとめるには最低でも 5,000 字くらいは下書きを作り、削っていく必要があります。
とはいえ、志望理由書に書く内容は3つだけです。詳しくはこのリンクをタップして、当サイトの別ページをご参照ください。
- 将来像(To Be)
- 将来像を目指して今までやってきたこと(As Is)
- 将来像を目指して大学で学びたいこと(Gap)
基本的にはこの3つだけなのですが、SFC の場合は、「3. 将来像を目指して大学で学びたいこと(Gap)」をより詳しく書くとよいです。
というのは、SFC は総合政策学部の授業も、環境情報学部の授業も自由に受けられるほど学びの多様性があり、「逆に迷ってしまって中途半端な学びになるのでは?」と教授が心配しているからです(面接でも頻出質問です)。
なので、入学後数年間の学修計画として、1年目はこの授業をとり、2年目はこの授業をとると同時にこの研究会にも入り… と、具体的に書くとよいでしょう。
C-2. 自由記述(A4 サイズの用紙 2 枚以内の大きさであれば表現方法は自由)
SFC の AO 入試で一番とまどうのはこれだと思います。「なんでも書いていいよ」と言われても困ってしまいますよね。
とはいえ書類のカテゴリーとしては「志望理由・入学後の学習計画・自己アピール」なので、2,000 字の志望理由書に書ききれなかったことを書けば大丈夫です。
ただ、ヴィジュアルに訴えるのがポイントです!
例えば、ポスター風に自分のバックグラウンドや強みをまとめる、今までの活動とこれから学びたいことをまとめる、研究テーマの実験方法と分析データを写真やグラフでまとめるなど。A4 サイズ用紙 2 枚の中で、工夫しがいがたくさんあります。
例えば、下記のようにまとめてみるとよいでしょう。ヴィジュアルに訴えるため、Canva や Microsoft PowerPoint 等のプレゼンテーションソフトを使うのがオススメです。
慶應義塾大学 SFC の提出書類 - D. 任意提出資料-
中学校卒業以降のさまざまな分野での取り組みとその成果、および大学入学後の目標や構想実現に必要な意欲や能力等を示す資料 10 点まで(1 つにつきそれぞれ要約や補足 200 字)
長いので、2つに分けて解説します。
まずは前半部分にあたる、「中学校卒業以降のさまざまな分野での取り組みとその成果を示す資料」についてアップロードします。
例えば、過去に作ったプレゼンテーション資料、証明書、資格スコア、レポートとその講評、デザイン案、自主制作動画、音声ファイル、SNS 上での活動内容のまとめなど、自分をアピールできるものがあれば何でもアップロードしてみてください。
アップロードした任意提出資料それぞれについて、200 字以内で要約や補足を入力します。また、特記したい活動や成果については 10 個中 3 個まで「◎」を入れることができます。
なお、ファイルサイズが 10 メガバイト以下であれば、複数ページにわたって OK です。文字情報だけに頼らず、ヴィジュアル情報も活用した資料にしておくとよいでしょう。
私、活動実績や成果なんてぜんぜんないんです…
そんなときは、後半部分にあたる「大学入学後の目標や構想実現に必要な意欲や能力等を示す資料」をこれから作っちゃいましょう!
何も活動実績がないと思っても、アピールできる材料って実はたくさんありますよ!
「ヴィジュアル化」「数値化」を意識してみてください。
例えば、興味のある分野の論文や本を数十~数百本読んできたなら、独自の視点で内容を分類して解釈を加える。勉強をがんばってきたなら勉強時間などのデータと成績データとの相関関係を分析してみる。部活をがんばってきたならパフォーマンスデータや部員獲得数などを分析してみる。いろいろあります。下記の例を見てみてください。
いままでの活動や成果が少なくても、工夫できることはたくさんありますよ! ぜひ、「ヴィジュアル化」「数値化」もヒントにしながら、自分の将来キャリアや研究テーマを実現できるようアピールしてみてくださいね。
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