高校生・中学生向けビジネスプランコンテストってどんな人や学校が参加しているの? どんなプランが多い?

高校生・中学生向けビジネスプランコンテストってどんな人や学校、プランが多いの? ビジネスコンテスト
受験生
受験生

ビジネスプランコンテストってどんな人が参加しているんですか?

GTE®ビジネスプラン・グランプリ 2022~2024 の3年間のデータを基に、

 「どんな学校の生徒が参加しているのか?」
 「どんなビジネスプランプランが多いのか?」
 「審査ではどんなことが指摘されたのか?」

を分析しました。

あくまでも私たちが運営しているコンテストのデータだけですが、高校生・中学生向けビジネスプランコンテストの状況を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

■ 分析したこと
1.男女比
2.高校生・中学生の比率
3.チーム区分
4.学校種別
5.学校の偏差値
6.学校の所在地
7.ビジネスプランの日本語/英語選択
8.解決したい問題(Problem)の種類
9.解決策(Solution)の種類
10.審査において特に指摘した改善点
11.審査において特に評価が高かった点

なお、この分析データは PDF ファイルでダウンロード可能です。組織内で回覧したいときなどにご活用ください(※ただし無断転載は禁止です!)。

(※ 目次をクリックすれば、どこからでも読めます)

分析対象のビジネスプランコンテスト

私たち GTE が運営している「GTE®ビジネスプラン・グランプリ」(以下、本コンテストと略記)3年分のデータを対象にしました。

※ なお、2025 年の応募締め切りは、4月6日(日)21:00 までです!

【対象データ】
データ期間: 2022年(第1回目)~2024年(第3回目)までの3年分
参加生徒のデータ数: 308 人
ビジネスプランのデータ数: 163 個

【GTE®ビジネスプラン・グランプリの特徴】
・日本語でも英語でも応募ができる
・一次書類審査、決勝プレゼン審査とも、すべてオンラインで完結する
本サイトのビジネスプラン攻略記事で、ビジネスプランの作り方が具体的に分かる

GTE 理事 能登
GTE 理事 能登

今回のデータは、「英語でも応募できること」が強く反映されたように思います。

GTEメンター柏
GTEメンター柏

高校生一般のデータを反映したものではなく、「GTE®ビジネスプラン・グランプリ」特有のデータと捉えてくださいね。

どんな中学生・高校生が参加しているのか

男女比

女子 206人(67%)、男子 102人(33%)で、全体の3分の2が女子でした。
本コンテストでは、女子の方が積極的に参加していることが分かります。

男女比(n=308)
高校生/中学生区分

高校生 276人(90%)、中学生 32人(10%)で、全体の9割が高校生でした。
ただ、全体の1割とはいえ、中学生の参加者数は年を追うごとに多くなっています。

高校生・中学生の比率(n=308)
チーム区分

同じ学校のチームで参加が 188人(61%)でもっとも多く、次いで1人で参加が 71人(23%)で多かったです。
また、ちがう学校のチームで参加した生徒が 41人(13%)、きょうだいで参加した生徒が 8人(3%)いました。

チーム区分(n = 308)
GTE 理事 能登
GTE 理事 能登

ちがう学校のチームで参加した生徒に聞いてみると、「他の課外活動で友だちになった」「留学先で知り合った」という生徒が多かったです。

GTEメンター柏
GTEメンター柏

中には、「X(旧 Twitter)や Instagram で『一緒に参加してくれる人募集!』と呼び掛けてチームメンバーを見つけて、Zoom での話し合いを繰り返してビジネスプランを作った」という強者もいました!

学校種別

私立中高一貫校に在籍する生徒が 191人(66%)で3分の2を占めていました。
公立校よりも私立校の生徒の方が、積極的に課外活動に参加し、学校の外での学びをしていることが分かります。

また、私立・公立を問わず IB(国際バカロレア)校の生徒 32人(11%)、海外の高校の生徒 12人(4%)、インターナショナルスクールの生徒 11人(4%)で、これらを合計すると 55人(約2割)が英語を日常的に使う生徒でした。
本コンテストは英語での応募を受け付けているので、英語力に自信のある生徒が多く参加していると考えられます。

学校種別(n = 290)

※ 学校が未記入だった 18 人を集計から除外

学校の偏差値

偏差値順で並べると、偏差値 70 以上の学校に在籍する生徒が 65人(22%)、60 から 69 の間が 77人(27%)、50 から 59 の間が 87人(30%)、40 から 49 の間が 9人(3%)でした。また、インターナショナルスクールや海外の学校、新設まもない学校など偏差値がない学校の生徒は 52人(18%)でした。

下世話ながら、「超有名進学校の生徒がやたら多いような…?」と思い調べてみたところ、偏差値 60 以上の生徒だけで約半数を占める結果となりました。本コンテストだけのデータですが、進学校ほど学校内の勉強だけでなく学校外の学びにも積極的な様子がうかがえます。

学校の偏差値(n = 290)

※ 学校が未記入だった 18人を集計から除外
※ 偏差値は、「みんなの学校情報」様のデータを参照しました

GTEメンター柏
GTEメンター柏

ただ、偏差値とビジネスプランの質とに相関関係があるかというと… あまり無いです。
自分の頭と足をつかい「解決すべき問題を具体的にとらえられた生徒」が、偏差値に関わらず質の高いビジネスプランを作れています。

学校の所在地

首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の学校に在籍する生徒が 117人(40%)を占め、次いで京阪神(大阪府、京都府、兵庫県)の学校に在籍する生徒が 74人(25%)を占めており、全体の3分の2が大都市圏の生徒でした。

この結果は、私立中高一貫校が首都圏と京阪神に集中していることが反映されていると考えられます。
とくに、東京都(70人)と大阪府(63人)だけで 133人(46%)に上っており、本コンテストのようなオンライン開催であっても「都会と地方との情報格差」が非常に大きいことがうかがえます。

学校の所在地(n = 290)

※ 学校が未記入だった 18 人を集計から除外

どんなビジネスプランが多いのか

ビジネスプランの日本語/英語選択

日本語で作成したビジネスプランが 113件(69%)、英語で作成したビジネスプランが 50件(31%)で、日本語が3分の2を占めました。

日本語/英語選択(n = 163)
解決したい問題(Problem)の種類

日常生活の悩みが 27件(16%)でもっとも多く、次いで、環境・ごみ問題が 18件(11%)、同率三位で、勉強や英語学習の悩み、ファッション・美容の悩み、生きづらさ・病気・障害の悩みがそれぞれ 16件(10%)で多かったです。

解決したい問題(Problem)(n = 163)

Problem の種類を大まかに分けると、「自分自身や周りの人の悩みに関すること(日常生活、勉強、ファッション、生きづらさ、進路選択の悩みなど)」と、「社会課題に関すること(環境問題、高齢者の問題、日本の伝統産業の衰退、訪日外国人へのサービス不足など)」の2つに大きく分けられるところが、高校生・中学生向けビジネスプランコンテストの特徴的なところだと考えられます。

GTEメンター柏
GTEメンター柏

ただ、後述しますが「社会課題に関すること」は、ニュースや先生から聞いただけで実感がないテーマが多く、評価が伸び悩むプランが多かったです。

また、少数派ですが「自分のほしいものが手に入らない」7件(4%)は、自分のニーズが明確な分、Problem と Solution がうまくフィットした質の高いビジネスプランが多くありました。

さらに、「営業・販売力不足」5件(3%)は、すでに自分や周りの人がちょっとした起業をしたことで痛感した問題を扱っており、こちらもニーズが明確で質の高いビジネスプランになっていました。

解決策(Solution)の種類

製品開発が 41件(25%)でもっとも多く、次いで対面サービスとアプリ開発がともに 27件(16.6%)で多かったです。また、ウェブサービス開発 25件(15%)、マッチングサービス 19件(12%)、その他 24件(15%)がありました。

解決策(Solution)(n = 163)

「製品開発」は、日常生活の悩みを解決するグッズや衣料品、食品廃棄などのごみ問題を解決するメニュー開発、医療ケアの問題を解決する医療補助器具、障害のある人向けの文房具など、さまざまな種類がありました。

「対面サービス」は、塾などの教育サービス、シェアハウスなどの店舗経営、高齢者の見守り代行サービス、訪日外国人向けの旅行代理店など、工夫をこらした解決策が多かったです。

「アプリ開発」と「ウェブサービス開発」は、英語学習アプリやウェブサービス、ファッションや美容、ダイエットなどの悩みを解決するウェブサービス、先生の勤務時間の不足を解決するアプリ、金銭管理や金融教育を行うアプリやウェブサービスなどがありました。

「マッチングサービス」は、リアルとオンライン両方のアプローチがあり、クリエイター同士をつなげるサービス、日本の伝統文化を継承するためのサービス、不登校の人と社会活動をつなげるサービスなどがありました。

GTE 理事 能登
GTE 理事 能登

なんとなくスマホアプリやウェブサービスが多いかな? と思っていましたが、意外と製品開発や対面サービスが多く、工夫をこらした良い Solution が多かったです!

さまざまな解決策がありましたが、解決したい問題(Problem)にフィットする具体的な機能、効果、適用条件などを考え抜いたビジネスプランが高く評価される一方で、なぜその製品・サービスで問題を解決できるのか根拠があいまいなビジネスプランは評価が伸びませんでした。

とくに「AI を使ったアプリ」は、AI の仕組みをほとんど全く理解していない生徒が非常に多く、「タダ同然で魔法のように悩みを解決してくれるテクノロジー」と完全な誤解をしているビジネスプランが多かったです。

審査ではどんなことが指摘されたのか

審査において特に指摘した改善点

「解決したい問題に実体験やデータなどの根拠がない」という指摘が 86件でもっとも多く、次いで「競合と比べて何が優れているのか明確でない」という指摘が 73件、「売上や利益の根拠が薄い」という指摘が 72件で多かったです。

審査において特に指摘した改善点(複数 n = 428)

解決策(Solution)への指摘を見ると、解決策があいまいなビジネスプランでは、「解決策に知見やデータなどの根拠が薄い(50件)」「解決策にテクノロジー上の根拠がない(49件)」という指摘が多かったです。

とくに、解決策が他人や行政まかせになっていて「自分自身で解決するプランになっていない(12件)」ビジネスプランは、起業家精神が疑われるため評価を大きく下げました。

GTEメンター柏
GTEメンター柏

大きすぎる社会課題をそのまま扱うのではなく、「誰がどんな痛みを抱えているのか?」と、”たった一人” が抱える具体的な問題にできるまで分解、分解を繰り返すのが大事です!

審査において特に評価が高かった点

「解決すべき問題に実体験や自分で調べたデータがある」という評価が 67件でもっとも多かったです。

ビジネスプランの質を大きく左右するのは「問題(Problem)の具体性」です。言い換えると、「お金を払ってでも今すぐ解決したい痛みは何で、その痛みを抱えているのは誰なのか?」という問いに対してどれだけ具体的に答えられるかにかかっています(こちらの攻略記事もご参照ください)。自分が実際に体験した Problem を扱っていたり、顧客ヒアリングを何度もしたりして作ったビジネスプランには高い評価がつきやすいです。

審査において特に評価が高かった点(複数 n = 203)

次いで、「売上や利益の根拠をよく見積もっている」という評価が 37件、「市場調査や競合調査をよく行っている」という評価が 33件で多かったです。

これらの評価が高いビジネスプランは、本サイトのビジネスプランの作り方の攻略記事を見てよく勉強したことがうかがえました。ビジネスプランを作る際は、ぜひ参考にしてみてください。

GTE 理事 能登
GTE 理事 能登

なお、「解決策に実体験や自分で調べたデータがある」は 29件と少なかったものの、この評価を得たビジネスプランはほぼ全て高いスコアを得ていました。

さいごに

あくまでも私たち GTE が運営している「GTE®ビジネスプラン・グランプリ」のデータだけですが、どんな学校の生徒が参加しどんなビジネスプランを作っているのか、ある程度の目安を提供できたかなと思います。

「誰の、どんな問題を、どうやって解決するか」を自分一人またはチームで探究し、形にしていくのは、とても楽しい作業です!(産みの苦しみもたくさんありますが)

楽しみながら思考の幅を広げ、思考を深められるチャンスがビジネスプランコンテストにはあります。ぜひチャレンジしてみてくださいね。

GTE PREP 大学受験の情報戦を制する!セミナー
プレゼンター
プレゼンター

【PR】 国際教養大学、APU(立命館アジア太平洋大学)、慶應義塾大学 SFC、早稲田大学 国際教養学部、ICU(国際基督教大学)などの受験をお考えの高校生と、その保護者の方へ。これらの大学の「合格基準」と「対策カリキュラム」をご存知ですか?

タイトルとURLをコピーしました