国際教養学部の一般選抜について教えてください!
早稲田大学 国際教養学部(SILS: School of International Liberal Studies)は、2004年に設立された、早稲田で最も新しい学部です。
ほぼすべての授業が英語で行われる、1年間の留学必須、留学生や帰国子女が非常に多いなど、とても国際的な環境で学べることが魅力で、入試難易度が非常に高いです(AO入試倍率4倍程度、一般選抜の倍率3倍程度)。
このページでは、早稲田大学 国際教養学部 一般選抜の攻略情報を徹底解説します!
⇒ 早稲田大学 国際教養学部の AO 入試の攻略情報とはこちらのページをご参照ください。
※ データは令和7年度入試(2025年入試)のものです。
※ 本記事は筆者が独自に執筆しまとめたものです。正確な情報を得たい場合は必ず大学の公式情報をご確認ください。
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(※ 目次をクリックすれば、どこからでも読めます)
早稲田大学 国際教養学部 -一般選抜の定員と倍率、スケジュール-
定員
一般選抜の定員は 175 名です。
AO 入試がすべての形式を合わせて 350 名で、全体では 525 名の応募となります。そのため、一般選抜は全体の約3分の1だと分かります。
倍率
入試過去データによると、過去3年間の倍率は下記のとおりです。
早稲田大学 国際教養学部 入試データ
入試年度 志願者 受験者(A) 合格者(B) 実質倍率(A)/(B) 2024 1,352 名 1,229 名 380 名 3.2 倍 2023 1,357 名 1,222 名 455 名 2.7 倍 2022 1,521 名 1,387 名 422 名 3.3 倍
年度によって合格者数と倍率がかなりちがいますが、おそらく、補欠合格者の数に左右されているのではと推測します。他大学に進学するなどして「合格辞退した生徒が多いほど補欠合格者が増える」からです。
スケジュール
一般選抜の試験は1回のみです。早稲田大学の他学部のような共通テスト利用入試はありません。
出願期限 | 試験日 | 合格者発表日 | 補欠合格発表日 |
---|---|---|---|
2025/1/20 | 2025/2/13 | 2025/2/21 | 2025/3/6 |
早稲田大学 国際教養学部 -試験科目と得点データ-
試験科目と配点
一般選抜は、「共通テスト2科目」「英語の独自試験」「英語資格試験スコア」の合計 200 満点で合否が決まります。
試験科目 | 配点 |
---|---|
■ 必須1科目 国語 (※ 200点満点を 50点満点に換算) ■ 選択1科目 地歴: 「歴史総合, 世界史探究」「歴史総合, 日本史探究」「地理総合, 地理探究」「旧世界史B」「旧日本史B」「旧地理B」 数学: 「数学I, 数学A」「数学II, 数学B, 数学C」「旧数学I, 数学A」「旧数学II, 数学B」 理科: 「物理」「化学」「生物」「地学」 情報: 「情報I」「旧情報」 (※ 100点満点を 50点満点に換算) | 100 (受験者平均 76.667点) |
英語独自試験 Reading 90 分、Writing 60 分 | 80 (受験者平均 48.924点) |
英語4技能テスト(英検、TOEFL iBT®、IELTS™、GTEC) | 20 (受験者平均 13.246点) |
表のさいごにあるとおり、出願に際して英語外部資格試験のスコアを提出すると加点がされます。加点基準点は下記のとおりです。
早稲田大学 一般選抜 入学試験要項 から抜粋。見やすいよう、筆者が「加点」列の配置順を一番左にした。
加点 英検 TOEFL iBT® IELTS GTEC 20 点 1級合格 総点 95 以上 総点 7.0 以上 総点 1350 以上 14 点 準1級合格 総点 72 ~ 94 総点 5.5 ~ 6.5 総点 1180 ~ 1349 7 点 2級合格 総点 42 ~ 71 総点 4.0 ~ 5.0 総点 930 ~ 1179 0 点 2級合格未満 総点 41 以下 総点 3.5 以下 総点 929 以下
どうすれば合格最低点に達するか?
過去入試データによると、2024年度入試の受験者平均点は約 139 点、合格最低点は 150.7 点でした。
150.7 点に達するには、英語外部試験の加点がないとかなり厳しいです。最低でも、14 点の加点となる英検準一級などをとることを強くオススメします。この加点があれば、共通テストでしくじったときに何とかリカバリーできるのではと思います。
その上で、合格最低点に届くパターンは2つあるでしょう。
パターン1) 共通テスト2科目(「国語」「選択1科目」)で高得点をねらう
・英語外部試験スコア(20 点満点)のうち、英検準一級などの 14 点はほぼ必須です。
・共通テスト(100 点満点)では、「国語」で 45点(換算前 180 点くらい)と「選択1科目」で 45 点(換算前 90 点くらい)で 90 点を確保する。
・英語独自試験(80 点満点の Reading, Writing)の合格ラインは、「合格最低点 150.7 - 英語資格加点 14 - 共通テスト 90 = 英語独自試験(Reading, Writing) 47」で、共テ2科目で9割とれれば、英語独自試験は6割で合格最低点に届きます。
パターン2) 英語独自試験(Reading, Writing)で高得点をねらう
・英語外部試験スコア(20 点満点)のうち、英検準一級などの 14 点はほぼ必須です。
・共通テスト(100 点満点)では、最低でも「国語」で 40点(換算前 160 点くらい)と「選択1科目」で 40 点(換算前 80 点くらい)で 80 点は確保したいところです。
・英語独自試験(80 点満点の Reading, Writing)の合格ラインは、「合格最低点 150.7 - 英語資格加点 14 - 共通テスト 80 = 英語独自試験(Reading, Writing) 57」で、英語独自試験で7割とれれば、共テ2科目は8割で合格最低点に届きます。
ただパターン1は、共通テストは一回勝負なので、国語(現代文・古文・漢文)で換算前 180 点をとる前提で勝負するのは不安定です。
そのため、パターン2の「英語独自試験で7割とる!」そして「共通テストの国語ともう1科目で8割とる!」という前提で勉強しておくとよいでしょう。
共通テストは一回勝負なので、うまくいかなかったときのリカバリーが困難です。
共テ9割を前提にするより、8割は確実にとると考えた方が、メンタル的にも安定しますよ。
早稲田大学 国際教養学部 -英語独自試験(Reading, Writing)の出題傾向-
試験時間
試験時間は Reading が 90 分、Writing が 60 分で、時間を分けて実施されます。
Reading も Writing も大問3つで構成されるので、Reading は大問1つあたり 30 分、Writing は大問1つあたり 20 分が、ざっくりとした時間配分のイメージです。
解答形式
Reading はマークシート式、Writing は記述式で解答します。
Reading の大問数と出題テーマ
大問3問(設問数 65 問程度)
一般選抜の過去問を見ると、大問3つとも約2ページ、合計約6ページにわたる英語長文を読み解く必要があります。
出題テーマは、政治、社会、言語、歴史、小説、科学など幅広いテーマからの出典があります。
Reading の出題傾向
Reading は、下記のような問題が出題されます。
・各パラグラフごとにあてはまる内容をそれぞれ選ぶ
・下線部についてあてはまる単語を選ぶ
・課題文の内容にあてはまる説明、および、あてはまらない説明を選ぶ
・文脈にあう空所補充
出題傾向としては、文脈理解、全体の内容把握が重視されています。
単語をどれだけ暗記しているか、文法をどれだけ暗記しているか、というよりも、英語長文の内容をどれだけ理解しているかが問われる問題が出題されています。
Writing の出題傾向
Writing は、下記のような問題が出題されます。
【大問1】 自由英作文形式。5 行程度の短い英文を読み、自分の考えとその根拠を英語で書く(記述欄 10 行)
【大問2】 グラフの英語要約。5 行程度の短い英文とグラフを読み、グラフから読み取れることを英語で書く(記述欄 12 行)
【大問3】 日本語要約。1 ページ程度の英語長文を読み、要約を日本語で書く(記述欄 8 行)
Writing は大問ごとに記述内容が異なる、バラエティに富んだ問題となっています。
総じて、どの大問も課題文およびグラフの読み取りができないと、問いに答えられる記述ができません。英作文と日本語要約の力を付けておくのはもちろんですが、Writing でも英語長文の内容理解が問われる問題が出題されています。
早稲田大学 国際教養学部 -英語独自試験(Reading, Writing)の対策5つ-
対策1 -似たような出題形式の大学の過去問をフル活用する-
早稲田大学 国際教養学部の対策には、やはり過去問を使った勉強がとても重要です。
一般選抜の過去問のページや赤本で過去問を入手し、時間を測って数年分をやり込んでみてください。
過去問、やったんですけど難しすぎます!
そういうときは、早稲田大学 国際教養学部と似たような出題形式の大学の過去問で慣れるとよいでしょう。オススメの過去問を紹介します。
兵庫県立大学 国際商経学部(グローバルビジネスコース) 学校推薦型選抜
・英語長文の読み取り、英語要約、英語意見論述の力がつきます。
・難易度は、早稲田大学 国際教養学部よりも簡単です。
・過去問はこちらのページから入手できます。
南山大学 外国語学部 総合型選抜
・英語長文の読み取り、日本語要約、英語意見論述の力がつきます。
・難易度は、早稲田大学 国際教養学部よりも簡単です。
・過去問はこちらのページから入手できます。
東京外国語大学 国際社会学部 後期日程
・英語長文の読み取りと、日本語要約の力がつきます。
・難易度は、早稲田大学 国際教養学部と同じレベルの難しさです。
・うれしいのは解答例があること! 要約問題では何をどう要約すればよいか理解しやすいです。
・過去問はこちらのページから入手できます。
東北大学 法学部 AO 入試
・英語長文の読み取り、日本語要約、英語要約の力がつきます。
・難易度は、早稲田大学 国際教養学部と同じレベルの難しさです。
・Reading の設問は早稲田大学 国際教養学部と出題傾向がやや似ているところがうれしいです。
・過去問はこちらのページから入手できます。
国際教養大学 一般選抜 A 日程、B 日程、C 日程、学校推薦型選抜
・英語長文の読み取りと、英語意見論述の力がつきます。
・難易度は、早稲田大学 国際教養大学よりも難しいです。
・一般選抜 B 日程の問題はグラフ問題なので、Writing の大問2の練習ができるところがうれしいです。
・過去問は赤本から入手できます。
早稲田大学 国際教養学部 AO 入試
・英語長文の読み取りや自由英作文の力がつきます。一般選抜と似た形式ですが、Writing の形式がちがいます。
・難易度は、一般選抜よりも難しいです。でもそこが良い。一般選抜と似た形式だけどより負荷の高い問題に慣れておくようにすれば、相当レベルアップできますよ。
・過去問はこちらのページから入手できます。
対策2 -英語長文の「主張」と「各パラグラフのトピック」をつかむ-
Reading も Writing も、攻略のカギは英語長文読解にあります。
長文読解では、「筆者の主張」と「各パラグラフのトピック」を正確に理解できれば読み取りの難易度がグッと下がります。
実はこの2つは、どこに書いてあるか決まっています。下の説明を読んでみてください。
「筆者の主張」は、必ず最初のパラグラフの中に書いてあります。
そのため、最初のパラグラフ(Introductory paragraph)を丁寧に読み込めば、内容理解に困ることはありません。あせっているとつい最初のパラグラフを流して読みがちですが、最初のパラグラフこそ肝要です。
「筆者の主張」が分かれば、Reading 問題全体について回答しやすくなりますし、Writing の大問3(日本語要約)がかなりラクになりますよ!
「各パラグラフのトピック」は、各パラグラフの最初の文に書いてあります。
そのため、各パラグラフの最初を丁寧に読み込めば、そのパラグラフの内容理解に困ることはありません。英語のパラグラフライティングでは、Topic sentence ⇒ Supporting paragraph(s) という流れで、まず言いたいことを書いてからその後に根拠や具体例を書くのがお作法なので、最初をよく読みましょう。
「各パラグラフのトピック」が分かれば文脈がつかめるので、Reading の内容選択や空所補充問題などにグンと対応しやすくなりますよ!
対策3 -英検だけではなく、TOEFL iBT® や IELTS™ の参考書で勉強する-
英検はとても有効な資格ですが、「英検準一級にやっと合格した」程度だと、早稲田大学 国際教養学部の入試には太刀打ちできません。とくに Writing のレベルがちがいすぎます。
実際に受験しなくてもよいので、TOEFL iBT® の参考書や IELTS™ の参考書を使って勉強してみてください(もちろん受験した方がよいのですが、受験料が数万円で高いし、試験会場が東京や大阪など都会にしかないので…)。
出題テーマや出題傾向が似ていますし、短い時間でたくさんの問題を解かないといけないので、非常に力がつきますよ!
対策4 -ChatGPT をフル活用する-
ChatGPT は Writing のスキルアップにものすごく使えます!
過去問に取り組むとき、まずは自力で、Writing の英作文を書いてください。
その後で英作文の内容をより良くしてもらうよう ChatGPT にプロンプト(指示文)を出します。例えば、「Please improve the following sentences more naturally? Then, explain the reasons for the improvements? : (ココに自分で書いた英文を載せる)」などとプロンプトを出すと、より洗練された英文を提案してくれ、さらに、なぜそう修正したのか理由も教えてくれますよ。
ちなみに、ぜひプロンプトは日本語ではなく英語で入力してください。回答も英語でしてくれるので、その英語を読めば Reading のスキルアップにもなるからです。
他人が書いた文を読むより、自分だけのために書いてくれた文を読む方が、リアリティのある理解につながりますよ!
対策5 -英語ディベートの練習をする-
Writing の大問1は、短い英文を読み、自分の考えを英語で書く問題です。
書く内容は、賛否を明確にしてその理由を示すような内容が多いです。この出題形式は、英語ディベートを練習しておくとかなり慣れることができます。もし自分の学校に英語ディベート部があれば、参加しておくとかなり有利になるでしょう。
「学校にディベート部がない」「あるけど真剣過ぎて入りづらい」という方は、私たちが運営している GTE® 日英ディベート部がありますよ。参加は無料です。
【PR】 国際教養大学、APU(立命館アジア太平洋大学)、慶應義塾大学 SFC、早稲田大学 国際教養学部、ICU(国際基督教大学)などの受験をお考えの高校生と、その保護者の方へ。これらの大学の「合格基準」と「対策カリキュラム」をご存知ですか?